第59話

 野営ではアイテムボックスから串焼きを出して夕食としている。周りからは羨ましそうな視線が当てられた。


「なぁ…俺にもそれ1つくれねぇか?」

「いいよ、はい」


 俺は串焼きを冒険者たちに渡した。


「ありがてぇ!まだアツアツだ!はふっ!」

「俺にもそれくれねぇか?」


 ゼニスさんから串焼きをくれと催促された。


「いいよ、はい」

「ありがてぇ!うめぇ!」


 夕食を食べ終わって、あとは寝るだけだ。テントと寝袋を出してカレンと寝た。翌朝。


「よし、出発するぞ!」


 俺たちは王都へ向け出発した。何事もなく王都に着いた。そのまま冒険者ギルドに向かう。


「はい、護衛依頼の完了ですね。報酬は金貨10枚です」

「それとこういうものを手に入れたんだが」

「わ、エリクサーですね。白金貨100枚で買い取りいたしますがいかがですか?」

「それで買い取ってくれ」

「そのエリクサーは儂のだ!」


 横から声がかけられた。面倒ごとか。


「儂は指名依頼でエリクサーを所望しておる!」

「あの依頼料白金貨10枚の指名依頼か?安すぎるから却下だ」

「ぐぬぬ、白金貨10枚が安いだと!正気か!」

「エリクサーは最低白金貨100枚から取引がされています」


 受付嬢が助け舟を出した。


「そんな金は出せん!そのエリクサーは儂のだ!」


 俺たちは無視して白金貨100枚を受け取った。


「じゃあな爺さん」

「儂をコケにしおって…許さんぞ!」


 話の通じない爺さんだ。俺たちは無視して屋敷に帰った。

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