推し活ツインズ〜双子の美少女に無駄な知識を詰め込まれるASMR〜相撲プロレス編

めぐすり@『ひきブイ』第2巻発売決定

第1話 朝起こしにきた双子の妹達の癖の強い推し活バトル

※ASMR用シナリオ形式のため環境音は()で、声の方向や近さは地の文で、シナリオは基本的に「」の一人語りで記述しています。



(キィーとドアの開く音)

 早朝の寝室。寝ているベッドの右側から元気溌剌な声が近づいてくる。


陽光(右)「抜き足、差し足、忍び足……と。お兄ちゃん起きてる? 陽光はるひだよ〜。寝てるよね。まだ太陽も顔を出していないし」


 左側からは同じ声質のダウナーな声。


月光(左)「抜き足、差し足、猫の足。兄……月光つきひだ。今その瞳が開けばボクはこの指で兄のまなこを潰さなければならない。だから眠りから覚めるな。ボクは兄の苦しむ姿を見たいわけではない」


(ふとんがこすれる音)

 耳元で慌てた声。


陽光(右)「起きちゃダメ。あと朝までは長いの。寝てていいの。まだ起きる時間じゃないよ。いーい? 起きていても寝ているの。寝た振りなの。あと本当に目を開けないほうがいいよ。月光ちゃんが珍しく使命感に燃えてシャドーボクシングしているから」


(拳が風を切る音)

 ダウナーでかすかにやる気が感じられる声。


月光(左)「シュッ、シュッ。ボクの指が兄の血を欲している。うなれボクのサミング」


陽光(右)「目潰しはどの業界でも反則技だよ月光ちゃん」


月光(左)「ボクには本気を見せねばならぬときがある。今がそのとき」


 呆れながら。


陽光(右)「……絶対に今がそのときじゃないよね」


月光(左)「そんなことより陽光ちゃん本題に入る。兄も準備ができたみたい」


陽光(右)「そうだね月光ちゃん。お兄ちゃんも準備もできたみたいだし。せーの」


(息を吸い込む音)

 左右両側から元気な声とダウナーな声。


「「(お兄ちゃん/兄)はどっちを推すの?」」


陽光(右)「またか……って、ため息つかない」


月光(左)「くだらない争いとか言わない」


 声の波の揃えてテンポよく。


陽光(右)「これは私と月光ちゃんの推し活バトル」


月光(左)「勝った方を今度のお休みにデート」


陽光(右)「お兄ちゃんと私たち三人で推しの場所に遊びに行くの」


月光(左)「もちろん兄の奢り」


(ふとんがこすれる音)


陽光(右)「たまのお休みくらい寝かせてくれ……ってお兄ちゃんは私たちとデートするのが嫌なの?」


月光(左)「両手に花」


 右側から悲しそうな声。


陽光(右)「たまのお休みだからお兄ちゃんを楽しませようとしているのに」


 左側から哀愁漂う声。


月光(左)「兄は変わった。昔はそんな風じゃ……ん? 兄が気だるげなのは昔からかも」


陽光(右)「昔からだね」


月光(左)「それでも付き合ってくれるのが兄」


陽光(右)「妹サービスしてくれるのがお兄ちゃん」


 左右の耳から声を揃えて二重に。


「「ねぇ〜」」


(パチンとハイタッチ)


陽光(右)「今回の推し活バトルは最強のエンターテインメントのプロレスと」


月光(左)「古来から脈々と受け継がれる日本伝統の神事であり国技であるお相撲」


陽光(右)「今回は男性向けの格闘技」


月光(左)「いつもボクたちの趣味に付き合わせているから反省してる」


陽光(右)「先月の動物園は楽しかったけどお兄ちゃん向きじゃなかったね」


月光(左)「カピバラ対ナマケモノ対ハシビロコウ夢の三つ巴最速王決定戦はマニアックすぎた」


 左右、重要とわかるように耳元で囁く。


陽光(右)「ちなみに特定のプロレスラーを推しているわけじゃないよ。陽光の推しは他にいるし」


月光(左)「推しの力士がいるわけでもない。月光の推しも他にいる」


 左右、声を交互にテンポよく。 


陽光(右)「プロレスとお相撲。どっちの魅せ方が楽しいかコンセプトの問題」


月光(左)「プロレスとお相撲。どっちの在り方が美しいか美学の問題」


陽光(右)「陽光は知っていそうで知らないプロレスの推し知識をお兄ちゃんに語ります」


月光(左)「月光は知らなさそうだけど知っているかもしれない相撲の推し知識を兄に語る」


 左右両側から元気な声とダウナーな声がハモる。


「「今から(お兄ちゃん/兄)のため一生懸命推しを語ります。だからちゃんと聞いてね」」

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