肝試し

天川裕司

肝試し

タイトル:肝試し


俺と彼女はある日、取り壊された病院に肝試しに行った。

ここは結構、出るって話。


1階の廊下をずっと渡り、2階に行ったとき、

ちょっとひんやりした空気が流れてきた。

彼女はこういうのに慣れていて、全く怖がらない。

俺は男ながら彼女の前でカッコ悪いところは見せられず、とにかく気張って歩いていた。


すると彼女が向こうの方を指差し、

「あそこになんか女の人がいない?」

とか怖過ぎることを言ってきた。

「え、ええ?」

彼女が指差した向こうのほうをよく見ると、確かに壁から半分体を出して誰かが覗いてる。「うおっ!?」それだけでも充分怖かったのだが、彼女の前でカッコ悪いところは見せられない。


していると、

女「あなた達も肝試し?実は私たちもなんだ♪」

と明るい声でその女は言ってきた。

内心ホッとする。どうやら彼女もグループでここへ来ていたみたい。

俺たちと同じか、と思いながらその女の人のほうへ近寄っていく。


でも壁はどんどん近づいてくるのに、その女の人だけは近づいてこない。

なんだろうと思って立ち止まってみると…


「なんかさ、小さくなってないあの人…?」

彼女が言ったのを皮切りに、壁から覗いたその女の人はどんどん小さくなり…

「あ…あの顔の小ささであの位置で、一体、何頭身あるんだよアレ…」

俺たちは一目散に逃げてった。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=Ay8y7t7-DsQ

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肝試し 天川裕司 @tenkawayuji

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