第8話〜王の資格〜

んー…またこれか…今度は何やったんだっけ…えーと、40万セットの治療薬を作って…治療の手伝いをしようとして…患者が多すぎて…特大回復魔法放って…ああーまたやった…やり過ぎちゃった


「大和さん!起きてください!」


これはエルダさんか…そろそろ起きるかな…気力が大変なことになってそう…


「んーよく寝たー!」


「よく寝たじゃ無いですよ!大丈夫ですか?このまま目覚めないかと思って心配したんですよ!」


「あはは…ところで患者の皆さんは…」


「大和さんの魔法で完治しちゃいましたよ!薬がもう余りまくってます!一体どれだけの魔法を起こしたんですか!」


「えっ!てっきり体力だけ回復したものだと‥」


「はぁー…大和さんいい加減自覚してください、あなたのレベルで魔法を本気で使うと何が起こるか分からなくて危険です!暫く訓練以外で魔法使わないでください」


「えっでも…」


「い・い・で・す・ね!」


「はっはい!」


エルダさんはやっぱり怒らせたら行けない人だ…年取ってるからかな


「何か変なこと考えました?」


「ひっ!なっ何でも無いです!」


「はぁー、いろんな種族の長たちが待っています、一緒にいきましょう」


そうして連れてこられた会議上?みたいな所の雰囲気は異常だった…ピリピリというか場が緊張していた


「長の皆さん、今回全ての治療薬を製作提供し、回復魔法にて全ての病人を治療した大和殿です」


こうして聞くと僕かなり凄いことしたんだなー


「初めまして大和殿、早速自己紹介からさせてもらおう、俺は犬人族の長ローグ」


「初めましてにゃ、猫人族の長ミーニャにゃ、よろしくにゃ」


「初めましてじゃ、儂は兎人族の長マーケン、この度は非常に助かった」


「お初にお目に掛かる、拙者は蜥蜴人族コクヨウ、宜しく仕る」


「で、改めて私が耳長族の長エルダです」


「うむ、他の族の長は今度の会議で会う事になるだろうが、ひとまず改めて大和殿此度はありがとう、ここにいる者共一同感謝申し上げる」


「いえ、当たり前のことをしただけですよ‥少しやり過ぎてしまったかもですが…」


「あっはははは!あれが少しか!全く、出来た人だ」


「皆さん、これなら大丈夫そうですか?」


『うむ』


「ん?どうしたんですか?」


「大和殿!我々は貴方に我々の王になって頂きたいのです」


「えっ!王?!いやそれは僕よりも相応しい‥エルダさんとか…」


「大和さん…確かに私はかつて亜人たちの王国の姫でした…しかしその国は滅んでしまったのです、亡国の王族は新しい国に居場所などありません…」


「大和殿…かつて我々の祖先はエルダ殿たち長耳族を王として仰いでいた、この大陸に逃れた時王としてエルダ殿を担ぎ上げようとした者は確かにいた…しかし他ならぬ彼女自身がそれを拒んだのだ、それで今のように各村ごとに暮らしている…だが、このままではダメなのだ、いつまでも人族がやってこない保証もない、我々はいつかやってくる人族から今度こそ我らの生存圏を護らねばならないそのためには国として纏まり協力しなくてはならない…」


「つまり、全ての種族に平等な王を必要としていて、それがこの大陸で唯一の人族である僕という事ですか?」


「うむ、ただそれは後付けに近い理由だな」


「後付け?」


「そもそも、平等かどうかの以前に強く慈悲深く高潔な者である大和殿以外相応しい物などおらぬ、皆もそう思うよな」


『その通り!』


「うっうーん…」


正直、確かに人族の侵攻に備えるために国家はいると思ってたから今度の会議でエルダさんを中心とした連邦構想を話そうと思っていたのだが…この感じだと僕による独裁の帝国になりかねない…いや、緊急時であればその方がいいのか、最終的に象徴のポジションに調整していけば国家体制を民主主義に誘導できるかも…


「大和殿、王になって頂けないか?」


「分かりました、人族が脅威で無くなるその時まで皆さんの王として国を治めます!」


「では一同…」


ん?何をするんだ?いきなり席を立って俺の前に…ああ


『我ら一同大和王に永遠の忠誠を誓わん!』


これは…凄い!どう返えそうか…


「我ここに忠誠に報い大陸全ての安寧と民の和を願い王となる事を宣言する」


これが俗に言う大和王就任の儀である…


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