閑話〜彼は何者なんだ… 前〜
〜ローグ視点〜
エルダの姐さんが村に帰ったかと思えばすぐに1万もの薬を抱えて戻ってきた
「ローグ!薬を持ってきました、治療を始めなさい!」
「は?ちょっと待て、薬もう出来たのか?!」
「まだ足りないですが作り続けています、今のところ1万セットですね」
「1万!?どうやったらこの短時間でそんなに‥」
「私にも無理ですが、大和さんなら可能です、それよりも早く…」
「ああ、わかった…」
その後俺は慌てて部下を呼んで治療体制を整えた
同時に猫兎人族の長を招集した
「2人ともよく来た、エルダ氏を初めとした長耳族の協力もあってうちの族内では治療体制が整った、ついては随時猫兎人族の受け入れを進めたい」
「私は全部ローグに任せてるにゃ、ついでにうちで動けるやつも助けに送らせてもらうにゃ」
猫人族族長ミーニャ、かつて猫と犬人族は宿敵のような関係だったが、大陸避難等を経て今では協力体制が築かれている
「我々もよろしくお願いします、我々は病の被害が特に大きいので…」
兎人族長老マーケン、兎人族は古くから隠密が得意で大陸避難の際も俺たちの種族を助けてくれた恩がある、種族自体の絶対数が少なく今回は病に多くの者がかかってしまっている
「移動に関しては各地に長耳族の方々が赴くからその方々に転移していただくことになる」
「こちらの準備は整っています、いつでも大丈夫です」
「エルダ氏ありがとうだにゃ」
「我々も感謝申し上げます」
「いえいえ、困った時はお互い様です」
「あー、ところで何だが、今回薬を作って頂いているのは長耳族の方ではない…」
『え!?』
「既に1万以上の薬を生成して提供して頂いている方は人族だ…それも一人の…」
「じっじんぞくですかにゃ!?何でこの大陸に…」
「それは私から…彼は森に倒れていたところを私が保護しました、数週間うちの村で過ごしていますが、我々どころか大陸の人族すら知らないだろう知識を無数に持っており、またそれを扱う倫理観に長けておられます、なのでうちでは魔法学校を作ってそこで先生をして頂いております」
「では我々の脅威では無いと?」
「はい、私達が保証します」
「そこまで仰るなら取り敢えず大丈夫なのかにゃ?…まあ病の特効薬を提供して頂いている時点で私らが知ってる人族で無いにゃ」
「それはそうだ…ではひとまず治療をなるべく早く進めるように各自お願いしますぞ」
それからが大変だった…
犬猫兎人族の治療は順調だったが、途中でまさかの蜥蜴人族が救援要請に来たのだ…
「突然訪ねた無礼謝罪する」
「いや、緊急時だから構わない、それで?蜥蜴人族も病が?」
「その通りでござる、拙者らは其方たちほどではないのだが、それなりに蔓延しておりこのままでは‥」
「わかったこちらに病のものを運んでくれ、ただ薬の増産のために少々時間がかかる」
「承知した、心より感謝申し上げる!」
何となく他の種族も来る気がしたので多めに薬を頼んでおいて正解だった…
しかしまさかこれ以上は来ないよな?
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