第5話〜会議に向けて〜
今日は午前中に魔法の授業をして午後からは提供する技術の選定をしよう
「みんなはもうすぐこの村で会議があるのは知ってる?」
「そういえば親父がそんなこと言ってた気がするぜ!」
「知ってるよーいろんな種族の人が集まるんでしょ?」
「…盛り上がる?‥」
「うーん…盛り上がるかは分からないけど、もしかしたら会議の後に留学生が来るかも」
『留学生!?』
「うん、会議で提案する予定なんだよね」
「私たちと一緒に勉強するの?」
「そうだね、来たら仲良くしてね」
子供のうちから自分とは違う他種族と交流するのは情操教育的にもとても大事だ
よし、プレゼンの準備頑張るか…
そして午後
またまたエルダさん宅に赴いて提供技術を選定する
「いらっしゃい大和さん!」
「今日もお邪魔します…そちらの方は?」
「ああ、こちらはこの村で技術者をしている…」
「ザングだ、お前が噂の大和か、よく息子から聞いてるよ、よろしくな!」
「はい、よろしくお願いします…ところで息子さん?」
「ふふっ、ザングは学校に通っているバジマくんの父親です」
「そういうこった、いつも愚息が世話になってるな」
「なるほど、ではザングさんにも選定を手伝ってもらうということで大丈夫ですか?」
「ああ問題ない、お前さんの技術に興味があるし、エルダ様に聞いた話では俺らの技術に疎いんだろ?ついでに教えてやるよ」
「それはすごく助かります!よろしくお願いします」
「では早速始めましょうか」
「まず今回提供する技術のテーマは生活インフラです」
『生活インフラ?』
この世界のインフラの概念は道と井戸くらいだと聞いた
なら上下水道や井戸のポンプ、あとは風呂やトイレなどの衛生をメインにする事に決めた
「それで、いかがでしょう?」
「うーん…正直言ってやり過ぎだとは思うが‥アイツらの状況を考えると…」
「そうですね、あまり出し渋っている状況では無いですよね」
「?何かあったんですか?」
「えっとですね…」
大陸南方に住んでいる犬猫兎人族の間で人口が増え過ぎた事による感染症の流行が問題になっているらしい
「感染症ですか…」
「一応長耳族も治療をしているのですが、人数が少ないので…」
要は焼け石に水ということか…
「一応、症状を聞いても?」
「ええ、高熱に節々の痛みあと頭痛ですね」
たぶんインフルエンザだ
現代ではインフルエンザは一応自宅待機だがほぼ風邪と思われている節があるが、過去にはインフルエンザのパンデミックが起きて多くの人命が失われた事もあるくらい、きちんとした医療設備と衛生環境がなければ死亡率は一気に上がる
「僕が知っている病気なら自然治療する筈なんですが、治ってないんですか?」
「治る人もいます、私たちの魔法は自然治療を促進するものなので、ただ治らない人もいて」
「もしかして咳をしている人は多いですか?」
「そうですね多いと思います」
おそらく合併症で肺炎を発症してる…
僕は別に医療の専門家では無いから微妙だけど…
「僕は専門家では無いので正しいかは分かりませんが、治療薬を用意できるかもしれません」
肺炎なら抗生物質を投与すればいい筈…某ドラマの受け売りだが、ペニシリンって青カビだったっけ…
「えーっと、ペニシリンという薬なんですけど…化学式が確か… C₉H₁₁N₂O₄S …いやわかるか!」
「おお?大丈夫か?」
「うーん…こうなったら魔法でゴリ押して…」
うん、魔法はイメージだ、思い浮かべればなんでもできる…この化学式の物質を構成…生成…出た!
「この液体を少しずつ投与すれば生きれると思います」
『ほんとか!(ですか!)』
「ただ使い過ぎれば帰って体の害になります、実際に試すしか無いですが、使ってみてもらえませんか?」
「分かりました!今から持っていってきます」
エルダさんはそのまま転移していった
「やっぱり長老の転移はすげーな」
「ええ、あとは無事効いてくれれば…」
大和はまだ気づいていない…大和が作ったのはただのペニシリンでなく魔素をたっぷりと含んだもので、実は大和の治療イメージがしっかり反映されて、もはやどんな病でも治る夢の薬だという事に…
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