1-10 場面の語り部(解説者?)
どうしてもその世界の仕組みや組織の仕組みを説明したくなりますよね。
大抵の創作論では、『説明はしない方がいい、説明すると読者はつまらなくなる』と、おっしゃっている方が多いです。
確かに、地の文で細かな組織説明されても、何のこっちゃ? と、興醒めすることもあります。でも、説明しないと分からないし、困ってしまいますよね。
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自分は昔、漫画家になりたくて、よく『漫画家になろう!』なんていう漫画をよく読んでいました。漫画制作用の特製原稿用紙はまだ持ってますし、Gペンや丸ペンもたくさん買いましたね。
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その時に学んだのは、『漫画世界の解説は、登場人物にさせろ!』です。
しかも、それ専門の登場人物を作るといいのだそうです。
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最近映画にもなった高校バレーボールの漫画をご存じでしょうか?
あのチームが試合をしている時、観客席にひょっこり現れた元監督の烏養一繋は、専門知識を生かしてコートの中の様子を解説していきます。当然、他の観客や素人には分かるはずもないことを『元監督』という立場で、臨場感溢れる語り口になります。
加えて、変人速攻や実際には有り得ない技もリアル感たっぷりに説明してしまいます。
だから、バレーボールをやったことがない人でも夢中になれるのです。
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たぶん、世界設定や組織が複雑な話ほど、こういうナレーター的存在が欠かせないのでしょう。それは、客観視で説明するナレーターよりも、登場人物の口から説明される方が、読者の思い入れは深まるのです。
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バレーボールやバスケットボールの漫画では、客席にいる人が、この役を担うことが多いですよね。
野球だと解説者がこれにあたります。
最近アニメでやっていた、『HIGHSPEED Étoile』では、まさに放送席のアナウンサーと解説者が、これを行っていました。
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『🏫エルフのエルフィーナ……』では、この役が明確ではなかったんですね。
例えば、お母ちゃんには旦那さんがいて、旦那さんは元学校の先生だったとかにして、お母ちゃんとお父ちゃんの会話から学校の実情などを表現したら良かったかもしれません。
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とにかく、読み手を物語の世界から離れさせない工夫が必要だということです。
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