10代から20代に書いた詩(3)

天川裕司

10代から20代に書いた詩(3)

「信仰」

人間は心のどこかでソドムとゴモラを願っている。この現実が、皆とそこへ行く事を。しかしそうなれば神の存在の有無がはっきりするのだ。僕は忘れたくない。


「幸福」

いくら考えても、僕には結局世直しをする気なんてない。ただ僕の周りが生まれた故に楽しければそれでいいんだ。友達と、限りある僕の範囲での僕の人生を、生きていく。裏切られても大丈夫なように、そう思うんだ。(笑)

      又

“この世を全てと思わない〟、聖書を読んでの素直な感想だ。我儘なりにも僕は神様に愛されたい。親を愛したい。だからこの世の生(せい)を本業(メイン)とは見ない。こんな汚れた頼りないものが僕の幸せの在り処ではない。存在する神の園に僕の幸福はある。我儘と言われようが、それが僕の幸福だ。


僕は血を吹きながら字を書くのか…。―――(笑)、空想さ。


何が楽しい事かわからなくなった。この世で楽しい事、女の子と遊ぶ事、友達と遊ぶ事、ゲームをする事、勉強する事、生きる事。神様に見られて嫌な事は、したくない。罪、謝罪を計算に入れるまでに堕ちたくはない。


「浮雲」

誰にも邪魔されない場所に、僕だけを愛する、僕と神様が創った理想の女(ひと)を置いておきたい。僕にはその女が一番可愛くて、全てだ。その理想の女とはこの世の人間みたいなチャチなものじゃない。この世とは別世界のものなんだ。(笑)僕はその方向へ、自分の人生を向けた。そうすれば裏切られる心配もないし、孤独にも耐える事ができるし、僕の“愛〟を守ることができる。きっと、この世の人達はそんなもの、無関心で笑い飛ばすだろう。でも生まれた時から僕は一人だ。〝何者か〟なんて僕のために考えるのはやめた。ただ一人で生まれてきたんだ。僕の理想よ、早くその姿を見せてくれ。そのためには、僕がそっちへ行かなければ駄目か。(笑)、でもまだ両親は僕の前に元気で生きていて、僕を愛し続けてくれている。そっちへ行く時は両親と一緒に。両親をこの世に一人にはしないさ(笑)。それが僕が思っていきたい親孝行だ。それが僕をこの世に生んでくれて、何の見返りもなく今まで愛してくれた親への僕の気持ちなんだから。


「恋人」

あいにく、僕はこの世の女を心からは愛せない。ただ一時的な、孤独を埋めるための良い他人くらいにしか思えない。どうしても信じていこう、とはなりきれない。周りでナンパや、恋愛、結婚が飛び交っていて、こんな僕の存在は、惨めなものだと思うが、仕方ない。結婚の手前で消え失せる輩、僕とはそういう人間である。これ程多くの女、(性格)が居て、僕にはその内の一つを把握なんてできない。その方が幸せな気がする。今さらながら、こんな汚れた流れの中に、守り通した自分を投げ込む気はない。女を気にすると、孤独を気にすることになる。もう、こんなところはすでに通り過ぎたのに、また戻る必要はない。きっぱりと、親孝行の道に生きるのだ、できる範囲で。そうすればこの世に大切にするものはない。


〝神はこの世に居て下さる。君は信じないのか?〟

「君だって迷った時があった筈だ。」


ああ喉が渇いた。


「この世での強者」

この世で勝つのは強者が多い。弱者は何かに頼らなくてはいけない。そこでよく、弱者は、強者より強くなりたいと願う。その行き先は様々だが、悲しみが多い。だが、その強者はこの世でだけの強者、休息のない強さになる。相手を殺してしまうのは一瞬だ。僕は、あたたかさが欲しい。先回りすればそうだ。あたたかさが冷たさよりも欲しいのだ。この世の先で、神様が好まれるのは、人を殺す程の勇気か、人をも丸め込む程の優しさか。僕はあたたかさが欲しい。そういう性格故か、強者が愚か者に見えるのだ。実際僕はそうだと思う。この世でふんぞり返っていても、再臨が来ればそんなチャチな座布団は取られてしまうのだ。それなら初めから何もない方がいい。それも格好いいじゃあないか。正直、僕はあたたかさが欲しいのだ。


やはり日本人は日本でしか生きられないものだ。

そして、それは世界に境界線を引くことにはならない。

つまり共存なのだ。


〝死にたくなければ前へ出るな〟と、臆病が言う。夜一人で書くこの文字故に、大勢の中で隣人を殺したくなるこの願望は、次々と生まれる。昼間に〝駄目だ。〟と呟く理性、いつかそいつを殺そうと努める僕がいる。その理性とは、両親が生きている、ということにあり、その自分を大切にする自分の生き道にあり。そこに付け込む他人の無関心が、どうしようもない、よく言う人生の壁である。この世間で、生まれてくる不条理を背負いながら人を殺すと罰せられる不条理に、つまらない〝粋がり〟をし続ける毎日だ。


「勝利者」

この世で勝つのは誰だ、〝人間〟か、〝欲〟か。神か悪か。強者か、弱者か。Y談か、美談か。男か、女か。安楽か、恐怖か。理性か性格か。映画か現実か。夢か現実か。夢か性格か。夢か神か。


〝延長〟と〝瞬間〟、君はどっちが好きかな。(笑)


ゲームというのは〝オタク〟との呼ばれ方の他に、その人の集中力、土壇場での集中力がわかるものだ。(笑)


頭痛がする。何の意味もなく頭痛がするんだ。この楽しい地球(ばしょ)で、頭痛と吐き気がする。そして額に冷たいこの手でも置けば気持ち良くもなるのだ。もう死んでこの地球(ばしょ)に居ないあいつは今どこで何をしているのか。よく言う疑問だ。でも、僕がこの場所にいる限り、その疑惑を跳ね除けられない僕のこの世での弱さがある。でも仕方ないのだ。すべて明日を生きなければならないのだから。


「青春の存在」

TVアニメを夢中で見ていた頃の、青春は今の流行、なかったものになっていて、それが大人になるって事だと思わされる。唄うことも観ることも無駄にされてしまうこの世の中で、それでも唄おうとする僕は、生きてることなのだ。一人になった時に、語られる程に自分の存在の証を呼び続けたのは、その為だ。


「ステイ・ドリーム(Stay Dream)」

夢の練習はいいかい?そろそろ目当ての娘が通るよ。おまえの一番いいところを見せてやれ。すべてはその為だ。(笑)…他人を信じるな。信じればそこでおまえの信用は終わりだ。俺は悪魔だ。……誰の声もしなくなったこの場所、たった短い束の間の退屈は過ぎてゆく。僕は神様の存在を信じたいんだ。それと一緒に僕の生き方は、今も僕を気にさせる。後悔の臆病、何もしなくても疲れずに生きられるんだよ。ただ日頃の退屈が、〝夢〟を看板にしながら僕を責める。〝両親を忘れろ〟と。

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10代から20代に書いた詩(3) 天川裕司 @tenkawayuji

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