タイトル[1秒後の俺は本当に俺だろうか?]

絶望を超越するもの

タイトル[1秒後の俺は本当に俺だろうか?]

俺たち2人の男はいつものように

学校の空き部屋で飯を食いながら話をしていた。


「1秒後の俺は本当に俺だろうか?」


「どうした急に?」


「いやよく俺が思っていることなんだが簡単に言うと

人間の細胞は数年で全て入れ替わると言う話があるじゃ無いか?」


「まあ聞いたことはありますね」


「それって間違っていて数時間で変わるものも

あれば二ヶ月で変わるものや一生変わらないものもある」


「そうなんですね」


「俺はこの話から1秒後の俺は本当に俺だろうか?と思っているわけでは無い」


「じゃあ何故そう思っているのですか?」


「お前は時間というものがこの世に存在すると思うか?」


「そりゃあ存在するでしょう?」


「俺は時間とは錯覚でありこの世にないと思っている

この世とはパラパラ漫画であり過去も現在も未来も

同じ場所にあるそう俺は考えている」


「それはつまり今のコマにいる人物と

次のコマにいる人物は同じ様で厳密には違うという話か?」


「そうだ過去も未来も同じであり

それをどう捲るのかにすぎないだが人は錯覚する

そして今こうやってコップを持った自分とコップを下ろした

自分は同じ考え同じ容姿を持った全くの別人」


「そんなことを考えていたら頭がおかしくなるぞ?」


「そうかも知れないだがそれは事実かも

知れないと思うと俺は怖くて怖くてたまらない」


「…………………重要なのは事実ではないんだ、重要なのは満足できたかなんだ」


「事実では無く、満足できたか?」


「人間があらゆる物事の事実を知ることは 

できないだからここで満足するしかないんだ」


「人間があらゆる物事の事実を知ることはまあそれは

そうだろうな人間きっと数十年後には滅びているだろうだが

それでも俺は満足などでは無く、事実を追い求め続ける

それが無謀だとしていてもそれが絶望の第一歩であろうと」


「そうかならせいぜい頑張れよ、俺はここで満足させてもらうからよ」


そう言って彼は空き教室から去っていった。

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