【12話完結】大野かんた プロテニスプレーヤー物語
☆くらっしー☆
プロローグ 決戦の夜明け
俺は大野かんた、プロテニスプレーヤーだ。
世界最強の名を欲しいままにし、数々の大会を総なめにしている。
俺のことを歴代最強と言う人もいるが、俺はまだまだ発展途上であると思うし、テニスプレーヤーの枠を超えて、バロンドール獲得をするという夢がある。
現状、テニスという競技において、俺の右に出るものは誰もいない。
なぜなら、俺は右詰めでポジションを取るから、人の入り込むスペースはない。
そのため、左に出るものはいる。
明日行われる全麦オープン決勝でも問題なく勝てるだろう。
とりあえず寝て明日に備えるか。
---------全麦オープン決勝当日---------
快晴の天気の中、4 万3 百人の観客が”チューリップ幼稚園”の第2テニスコートで行われる全麦オープン決勝へ駆けつけた。
全国No.1 プレーヤー兼人気者である大野かんたの観客が大多数を占めており、男性のみならず、端正なルックスから女性ファンも多くいた。
また、入れ歯のCM もやっていることから老人ファンも多数おり、押しも押されぬ日本の大スターとしての地位を盤石なものとしていた。
そして全麦オープン決勝の相手は、“ユウキ・ヤマシタ”という無名の日系フランス人であった。
実績を比較しても、大野かんたはグランドスラム優勝を30回しており、対するユウキ・ヤマシタは、市の健康テニス大会ベスト4 が最高成績であり、比較にすらならないレベルであった。
事前オッズを見ても、その差は一目瞭然で、大野のオッズは1.0 倍なのに対して、ユウキ・ヤマシタは560,430 倍と、大野かんたの勝利は揺るぎないものであると考えられていた。
テレビ中継では、キー局全てが大野かんたの決勝をライブ映像で流していた。
無論、スマートフォンにも緊急地震速報と同じで、設定もしていないのに勝手に通知が来るようになっていた。
ピロン♪
大野かんたが、試合会場に到着
ピロン♪
大野かんたが、プライベートの靴下を脱いで、試合用の靴下に履き替えた。
ピロン♪
大野かんたが、自販機でコーヒーを買おうとしたけど、ブラックしかなかったのでコーヒーを買うのを辞めて、カフェオレにした。
ピロン♪
大野かんたが、見えない物を見ようとして望遠鏡を覗き込んだ。暗闇を照らすような微かな光を探した。
日本のみならず、世界全体がこの一戦を注目していた。
そうした絶対的、大野かんた優勢の中ゲームが開始した。
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