序章 平和な世界
最後に聞こえたのは、耳に
(ここは……?)
手をついて上半身を起こすと、自分の
(これ……私?)
意識がぼんやりしているが、確か自分は
(私……私は……)
(でも、私生きて……それに、どこも痛くないし。もしかして、夢……?)
車に轢かれたことが夢だったのか、今が夢なのか。それとも、どちらも現実か。
(まさか……死んで生まれ変わった、とか? それにしてはもう大人の体みたいだけど)
とはいえ夢と理解するには、やけにはっきりとした視界だ。やはり生まれ変わったのだろうかと考えて、じわじわと胸が熱くなってきた。
(もしかして私、まだ生きられるの……? 人生をやり直せるの? もしそうなら、今度こそ平和で
そう思って顔をあげた時、広い室内にある二人の姿が目に飛び込んできた。
一人は
そしてもう一人は、
「──っ!」
──ビイイイィィィィィン
(ひ……ひいいいいい!)
鼻先を過ぎ、真横の壁に刺さったナイフを見て
おそるおそるナイフが飛んできた方向を見れば、剣を手にした男がこちらを向き、ナイフを投げたと思われる手をこちらへ伸ばしていた。
どうやら美咲が
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