ループする朝

滝口アルファ

第1話

気が付くと、

朝だった。

私は天道虫になっていた。


そして、

私はイラついていた。

せっかく、

人間の住むアパートに逃げ込んで、

ハンドソープのボトルに止まって、

ホッと一息ついていたのに、

朝方、寝ぼけまなこで

起きてきたこの部屋の住人に

見つかってしまったのだ。

その人間は、

私をティッシュで捕まえて、

玄関のドアを開けて、

私を

近所の原っぱに

放り出したのだ。

また、振り出しだ。

しかし、

あの人間に殺されなかっただけでも、

幸運だったかもしれない。


さて、

これから何処へ行くべきか。

とりあえず、

歩いて行くしかないのだろう。

そうして歩いているうちに、

私は疲労からか、

いつの間にか意識を失っていた。
















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