カナタさん
@kodaitiseiryu2024
第1話 カナタさん
はっきり言って、わたしあの娘が一番嫌いなのよ!!
あの娘は良いわよね、少し可愛くて才能があるからってチヤホヤされて!!
わたしが演るはずだった桜木朔子役を私から奪った!!
主人公はわたしが演るはずだったのに!!
病気で仕事が暫くの間出来なくなった私の代わりに、あの娘、長谷川唯が演じる事に、唯はわたしの人生全てを奪った。
だからわたしも奪うのあの娘の人生を奪ってやる!!
呪がこの世に存在するのよね調べたのよ、カナタさん願えば誰でも呪い殺してくれる、方法も色々ある。
でもカナタさんは満月の夜にしか呪えないの。満月の夜の午前二時にカナタさんが生前好んでいた廃校、その近くの神社に相手を呼び出すそして・・・
「あらなに遥さん私をここに呼んで、まさか彼の事まだきにしてるの?ウフフ笑えるわね」
わたしの人生を奪った唯、唯さえ居なければ良かったのよ。
だからカナタさんに願った、この娘の人生をわたしみたいにして欲しいと。
「いえ別にね、彼はどうでもいいのわたしね願ったの、この世で一番嫌いな貴女が消えてほしいって」
そう唯を消して欲しいの!!
カナタさんは全て知っているの、この娘が欲に塗れて生きる価値等無い事を。
「そう、私は遥さんの事そんな風に思ったことはないわよ。でも私の前には現れて欲しく無かったわね」
大丈夫よ貴女の目の前からは消えるから、二人共ねわたしも貴女も!!
「あらわたしも同じ事を考えていたわ。それにもう彼には興味無いんだけどね」
貴女が居るだけでムカつくのよ、彼を汚した貴女が一番ね!!
「そう、じゃあ何で私を呼んだのよ」
貴女が死んでくれる場所だからよ!!
「もう終わりよカナタさんよ、カナタさんが来たわ」
「えっ」
0000
なんだか変な夢を見たな、なんでか知らない場所に二人の女性がいがみ合う、そんな夢を。
でも何だろうその夢は夢じゃない気がする。
俺は赤井陸警視庁捜査一課に所属している。
最近カナタさんというホラーな話が流行っている、何でも願えば誰でも呪ってくれるという。
まあ尾ひれ背びれついた噂話に過ぎないけど。
そんな存在がいたら、刑事も職務を全うできない!!
呪いなんざ、あって欲しくないな。
「あなた、今日稲穂の幼稚園の入園式があるの、あなた参加出来る?」
こいつは俺の妻の優花で、俺みたいな奴を好きになってくれた女だ。
優花との出会いはロマンチックでも運命的でもなく、普通に出会って普通に結婚した。
「今日は非番だから行けるけど、指示が出たらそっちに行かないといけないから」
「刑事も大変ね」
稲穂は俺たちの宝物だ、中々子供に恵まれなかったけどようやく、恵まれた時の感動は馬鹿にならない程喜んだものだ。
俺たちは結婚前と変わらず愛し合っている、おしどり夫婦と呼ばれている。
「いなほさいきんね、すききらいしなくなったんだよ」
「稲穂お喋りができるのか?」
俺は驚いた稲穂と最近接してなかったからか、お喋り出来るなんて知らなかった!
殺人現場
「おう非番なのにすまなかったな」
と吉村大輝警部は社交辞令をしたあと殺人現場の死体の場所まで連れて行った。血なまぐさい臭いがした、被害者は二人で心中かと思われる、にしても両方顔が無いとはエグいな!
両方共女性みたいだ。この現場何故か嫌な予感がする、この殺し方尋常じゃない、俺は何か関わってはいけない事件に関わってしまったみたいだ。
「警部これはどういう状況何でしょうか」
「被害者は二人共指紋で判ったのだが、神奈川遥さん二十九歳職業声優、同じく声優の長谷川唯さん二十二歳、死亡推定時刻は午前二時この神社で殺害されていた。」
午前二時そんな時間にこの場所で殺人を犯したのか?
この場所は滅多に人が通らないから、確かに殺人には向いている場所だ。
でもこの二人何でこんな場所に?
「何でもこの場所で打ち合わせをって普通しますかこんな場所で?」
と一人の花川貴史巡査は独りでボケてツッコミみたいな事を、意味不明。
ここには何か悍ましい程の悪意を感じる。
「なんだ、早川の奴まだ来ないのか?」
早川とは俺の相方の刑事の早川任三郎だ、いつも遅刻をしては怒られてばかり。
その度に警部の雷が落ちることになる。
でも頭はいい方でいつも解決へ導いてくれた。
「あいつはまた、パチンコでもしてるんじゃないですか?」
そう俺が言った時
「すいません、ちょっと女房と揉めてまして」
と早川がやって来た
「おい早川、遅いぞ」
「いやあ、女房の奴がカナタさんとかいう、オカルト話を信じちまって。怖いから今日は早く帰ってきてって泣きついてきて」
カナタさんか確かにあのオカルト話今知らない奴あんましいないだろうからなぁ。
「全く幽霊とかいるわけ無いだろう」
「とにかく聞き込みに廻ってくれ」
0001
「ねえ、聞いた声優さん二人も殺されたって、ニュースでやってたよ。何でも頭がないって」
頭がない・・・
私は春川ますみしがないO・Lだ。
今日は友達の宮川仁美とランチを食べている。
「そうなんだ、そういえば仁美あんた、また翔子の彼を奪ったそうじゃない」
そうこの娘は人の彼氏を奪っては振っての繰り返し、しかも翔子の彼氏ばかりを、いい加減止めないと大変なことになるよね。
「まあ、人の彼氏が飾りというか、この私を輝かせてくれる宝石なんだよね」
「そういえば、確か坂原佳奈多って娘、あんたに彼氏を奪われて自殺したって」
カナタさんってもしかして、いやカナタさんは佳奈多が自殺する前から噂がながれているから違うか。
「あんなのブサイクが粋がってたからいけないんでしょう。」
仁美のこういうところが好きじゃないのよ、でも思うんだけどこの事件何かある。
「ねえますみ、今日そっち行ってもいい?」
仁美からそんなお願いされたのは、あの話から二週間後で、テレビからはニュースが「また殺人事件がこの近辺で起こった、今回も二人の犠牲者が。女子高生二人が前の事件現場から少し離れた所で殺された、また両方頭が無いという被害に。警察は連続殺人事件として調査する事に!!」
それにしてもなんでまたふたりだ、何故だろう?まあ私には関係無いけど。
それにしても仁美、また翔子の彼氏を奪って何がしたいのだろうか?解らない?理解できない。
あんなに綺麗なんだから、翔子の彼氏を奪う必要ないんじゃないの。パソコンをいじっていると、呪いのカナタさん、というサイトにいきついた。
(へぇ、こんなの信じる馬鹿がいるんだ、意外ねまあ私には関係ないけど)そう考えていた。それもそうだろう今どき呪いなんて、信じる馬鹿いるわけ無いでしょう。
その時に固定電話のが鳴った、こんな時間に誰だろう?と怪訝に思いながらも電話にでた。
「もしもし」
「貴方ねわたしを殺したのは?」
といい電話がきれた悪戯電話ね最悪!
数時間後
「ますみ私殺されるかもしれないわ」
いきなり何を言ってるのかしら、殺されるって誰に?
ついに頭がおかしくなったのかしら?
「大丈夫?何があったの?」
私は仁美を落ち着かせてから話を聞く事にした、でも誰かに怯えている、そんな感じがする。
誰に怯えているのかしら解らないわ。
「カナタさんに私は殺されるわ!!嫌よ私はまだ死にたくないわ」
カナタさん・・・あの噂のカナタさん?
いやいや、カナタさんなんて存在するわけないわよ、馬鹿ね
「カナタさんなんて存在しないわよ、ただの都市伝説よ、だから大丈夫よ」
私は笑いながらいったのだけど、仁美は相変わらず怯えている。
なんでよ貴女も馬鹿じゃないんだから、信じないでしょうカナタさんなんて。
「私もう限界なのよ、元はと言えばあの娘が悪いのよ、だからあの娘が鼻につく態度をとるから!!もう嫌」
と部屋を飛び出て行ってしまった、どうなっているの?あの娘ってだれ?
0002
「貴方、昨日は大変だったみたいね。殺人事件解決できるの?」
優花は家族の時間を作って欲しいと最近言ってくるが、専業主婦のお前に何がわかるんだ!!刑事だって大変なんだぞ!!誰のお陰で生活出来ると思っているんだ!!
と言いたい気持ちを隠してはいるが、いつか爆発しそうだ。
離婚は余りしたくないと、思っているが、本当に独り身になりたくなったら、それもありだと思っている。
「まあな、それよりすまなかったな稲穂の入園式行けなくて」
「別にいいのよ、貴方は貴方の時間があるんだもん」
でもカナタさんなんて本当にいるのか?
数時間前殺人現場に戻る
「全く幽霊とかいるわけ無いだろう」
「とにかく聞き込みに廻ってくれ」
警部にそう命令されたので、聞き込みに廻る事にしたのだが、早川が殺人現場で吐いてしまって、直ぐには行けそうにもない状況だった。
刑事なんだから殺人現場で吐くなよと思ってしまった。
新人じゃないんだからさぁも、っと強くなきゃならない、と俺は思う。
「おいおいお前、殺人現場で吐くなよな、刑事だろう」
「そうですけど先輩、ぼく死体はいつ見ても駄目なんですよ」
全くこんなんで刑事務まるのか?
まずは大手声優の事務所のジカル声優事務所だ。
そこの、田中香菜という声優が、仏と親しかったと教えて貰ったので尋問する事に。
「最初にお尋ねしますが、神奈川遥さんと長谷川唯さんに恨みを持っている人はいますか?」
「さぁ、こういう商売ですからねぇ、恨みって言っても沢山いるといえば答えづらいですし、居ないといえばそうだとも言えませんし、取り敢えずこういう商売柄そう言った事は断言出来ません」
「そうですか、じゃあ貴女は死亡推定時刻の午前二時は何をしていましたか?」
「アリバイですか?それならラジオ番組に出ていましたね、一応ラジオ番組の名前と共演していた人を記しますね」
共演していたのは、戸松花梨と新川裕子という名前らしい番組名は、声優だらけのラジオという変な名前の番組だった。
「最後の質問です、貴女は呪いのカナタさんというのを知っていますか」
「カナタさん・・・ああそれなら遥さんが言ってましたね、確か・・・何でもカナタさんは誰でも呪い殺してくれる、だからわたし願ったのって」
そうかやはりカナタさんが今回の殺人事件の鍵か。
でも何で神奈川遥さんがそう言ったんだろうか?
仁美が殺された事から、呪いのカナタさんを調べる気になり、カナタさんが昔過ごしていた、名古屋市の守山区の大曽根から、バスを45分位乗り着いた所にある一軒家に訪れていた。
ここがカナタさんが住んでいた家なんだ・・・表札には中田という名前がかかれている。
つまり中田カナタという名前なんだ。
それにしても田舎だなぁ。
カナタさんは一体何で・・・
まあそれにしても何でカナタさんは自殺をして、最初はいじめていた同級生を呪い殺した、その時に生き残ったいじめた同級生がその顔を見ており、中田カナタに似ていたためカナタさんになり、そこから尾びれついて呪いのカナタさんになったという話だ。
まずは母親から話を聞かないとね
0005
5月22日
「えっ今日春川さんは休んでいるんですか?」
俺は少し肩透かした気分になった。
それよりも何で春川は休んでいるんだ?なんか理由でもあるのか?
まさか春川が犯人か?それともカナタさんに殺されたか?
とにかく事情を訊かないと。
「どうして休んでいるんですか?」
「有給ですので」
なんだ有給か、取り敢えず仁美に親しかった人物に話を聞かないと。
「仁美さんと親しかった人物はいますか?」
「服部さんですね、出勤してるので呼んでみますね」
服部勇斗という人物らしい。
カナタさんってオカルト話信じてはいないけど、カナタさんが何らしか関係しているんだろう。
「あのぅ刑事さん僕が服部です」
服部は見た感じは男性アイドルみたいな顔をしていて、身体もスリムだ。
「まずは仁美さんが殺された事を知ってますか?」
「あっはい、知っています。でも彼女がなんで殺されたんですか?」
「それは今捜査中です、次に仁美さんとどういう関係ですか?」
「彼氏ですけど」
「彼氏さんでしたか、じゃあ仁美さんがどんな人だったのか、知っている事だけで良いので教えて下さい。」
「仁美は人の彼氏を奪うってよく言われていますね、僕も昔の彼女から仁美に移りましたけど、愛しているんですよ。順番が違ったら仁美を選んでいますよ。」
彼氏を奪うか・・・だから呪い殺された?馬鹿馬鹿しいそもそもカナタさんは・・・
「ありがとうございました、また何かあったらまた話を聞かせて下さい」
「わかりました」
0006
5月15日
大須観音でデート中の慧は、まねきねこ通りにある、メイド喫茶で食事中だった。佳奈がメイド喫茶に行きたいと言ったのでそこで食事をしている。
(でもなんでメイド喫茶かな?よくわからん。)
「美味しかったね慧君。でさぁ話は変わるんだけどさぁ、茉優は声優希望らしいけど、あの娘受かると思っているのかしらね」
「まあやってみないと解らないじゃん」
「まぁやっても結果は一緒だけどね、でも慧君は茉優と昔付き合っていたんでしょう、まだあの娘に未練はあるのぉ」
「もうないよ、君一筋だよ」
「ありがとう嬉しいわ。」
0007
5月25日
「また被害者か・・・」
殺人現場にいる俺たちはうんざりしている。
また顔のない死体だ、しかも前の2件同様に
「先輩、被害者は中田佳奈さん高校三年生です。」
「で・・・彼女の親から話は訊いたのか?」
「はい訊きました、彼氏がいるそうですが、どうも乗り換えが激しかったらしいです。それに佳奈さんはどうも恨みを買うよう娘だと思っていたと、何故か母親がそう言ってました」
まぁ親からそう思われていたとわな、珍しいケースだよな。まぁそう言われない人なんて、いる訳ないとは言い切れないからな。
「またスマホには呪いのカナタさんで一杯でしたよ。送信しようとしていた人物は、山鹿慧と言う人物で、佳奈さんの今の彼氏みたいです」
「やまかって漢字でどう書くんだ?」
「山鹿ですよ」
スマホが着信を知らせた。どうやら優花みたいだ
「どうした優花」
「貴方早く帰って来て今家に不思議なじょ・・・」
「おい!!おい!!どうした優花!!おい!!」
「どうしました先輩!」
「早川、優花に何かあったみたいだ、早く行かないと!!」
「これは一体・・・どこだ優花返事をしろ優花!」
風呂場や寝室キッチンを見たが優花の姿が無かった。
何でだ!!どうして優花が居ないんだ!!
「先輩、奥さんいましたか?」
「いや居ない一応、稲穂の通っている幼稚園に連絡してみるから、お前は自分の家に帰ってろ!!」
「どうしてですか、先輩」
「お前の奥さんカナタさんが不安って言ってただろうが!!だからお前の奥さんも危険なんじゃないか?」
「だからどうしてですか?」
「解らない野郎だなぁ。前遥さんと唯さんが殺された時唯さんは、カナタさんに殺されるかもって、他の声優に言っていたって、声優仲間から聞いたろうだからだ。もしかしたら、お前の奥さんも危ないかもしれないだろう」
「解りました」
優花は見つからなかった、何でだ!!どうしてだ!!
『貴方が悪いのよ浮気したから』
『お前だって浮気しているだろう』
『あなたはいいわよね、自由があるんだから』
『はぁお前だってママ友と外出したり、旅行したりしているだろう、それなのになんか不満でもあるのか』
何だこの会話、俺と優花の会話みたいだが、覚えていない。
『あなたが悪いのよ』
俺が優花に殺された!?俺は生きているぞ!?この記憶は何だ?
「先輩女房は無事でした、でも先輩の奥さんは?」
「ちょっと一人になりたいんだ」
「わかりました」
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