海蝕洞の幻宝

昭真

第1話 海蝕洞の幻宝(1/5)

「おれの父ちゃんが言ってたんだ。洞窟の中に青くピカピカ光るものがあるって」

「それって海賊が隠した宝物じゃないのか」

たけしは親友のトシに、海へ漁に出た父親から聞いた話を熱心に語った。トシはその話を興味津々で聞いていた。


ここは海辺にある小さな村。

小学生のたけしとトシはいつも海で遊んでいた。


たけしの父は漁師で、毎日のように漁船で海に出ていた。

漁港から少し離れた海岸べりの切り立った海崖に、大きな洞窟がある。

そこには歩いては行けない。


たけしの父は一日のある時間帯だけ、その洞窟の中から青い光が見えると言うのだ。


原因はわからない。

ただ神々しい光がほんの数分だけ見えるらしい。


「その宝物をおれたちが見つけたら、おれたちの物になるのかなぁ」

「きっとそうだ。落ち主がわからないから、落とし物といっしょだよ」

トシの疑問にたけしが自信満々に答えた。


「よし、おれたちで見つけに行こう」

「それならシンジも連れて行こう」

たけしとトシにはシンジと言う仲間がいた。


学校の成績が良いのだが、なぜかたけしのようなぼんくらと馬があった。


「それ、本当なのかっ!」

「きっと間違いないよ」

「行こう、行こう!」

シンジは二つ返事で探検に加わることにした。


こうして三人の宝物捜索作戦が始まった。

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