タイトル[宇宙の意味不明さのほんの少しを話そう]

絶望を超越するもの

タイトル[宇宙の意味不明さのほんの少しを話そう]

俺たち2人の男はいつものように

学校の空き部屋で夜ご飯を食いながら話をしていた。


「宇宙て意味不明で面白いですよね」


「そうだな」


「例えば地球人類で46億年かかったってことは

もし生命の最低要件が46億年の場合

異星の生命体同士が出会う確率はめちゃくちゃ低いってことや


人類という種が滅ぶ前に恒星同士の移動を可能にする際に

使うエネルギーは現人類が使ってきたエネルギー総量より上てことや


火星のテラフォーミングどころか月すら厳しいんだよね

放射線量と言う特大の危険物のせいでと言ったことや


いつどの瞬間にガンマ線バーストが地球を焼いてあらゆる

生命が荼毘に付してもおかしくないらしいよまあそんな強い

放射線からは太陽風が太陽系ごと守ってくれていることや


俺たちは宇宙背景放射から考えるに137億年前に起きたと

思われるビッグバンによって弾け飛んだ電子陽子が

水素ヘリウムなどの基礎元素を構成する

物理法則の円運動が支配する世界において


ラニアケア超銀河団の中に存在する天の川銀河の

辺境に46年前に生まれた太陽という

恒星の周囲を漂っていた岩塊の上に生きていて


その岩塊に衝突した氷の小惑星がもたらした水と

地殻から噴き上げるマグマや太陽から降り注ぐ

熱エネルギーのなか10億年かけて生まれた

ミトコンドリアとそれを匿う細胞の

共生関係から始まった小さな命を祖に持ち
数々の

全球凍結や隕石による大津波・地殻変動・地球磁場の

乱れによる放射線といった五度の大絶滅を経て

大型生物が体温維持をできず死滅する

中小型哺乳類として難を逃れつつようやく安定した

環境に500万年ほど前に猿人として現れ


20万年前にアフリカを出て世界各地へ散らばり

明確な歴史を持つこの数千年において

急速な文明発達を推し進めここ数十年における

科学技術の進化はこれまでの36±1〜2億年の

歴史に匹敵する発明である凄い時代に生きてるんだね


ビッグバンより前に何があったかはまだ分からない


グレートフィルター仮説
火星やエウロパで進化した生命が簡単に

見つかってしまえばしまうほど生命が宇宙に痕跡を残す程に

進化するまでにあるはずのグレートフィルターが

人類が歩むこの先の未来にある確率が高まる

その平均的な生命が乗り越えられず絶滅する

フィルターが人類より前にあれば本当にどうしようもない絶望

後ろにあってすでに乗り越えていたら希望はあるが

他の生命が乗り越えられないかもしれないという

これまた絶望なんだ、まっ前にある場合はそのことに

気づいた時には滅んでるからあんまり気にしなくていいんだけどね


宇宙人はいるに決まってるでしょうが見てみろこの宇宙の広さを


宇宙人に会えるわけないでしょうが見てみろこの宇宙の広さを


「またまた今日も話が長いですね」


「そりゃあ話は長くなるさ、それにいくら

長くなっても他にすることがないんだから別に構わないだろ」


そう言って彼は空き教室の外の宇宙を見た。


「まあそれもそうだな話を続けてくれ」


そうして二人は宇宙を漂い話し続ける。

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