第4話
小学校6年生にもなると反抗心の塊だった。でも親に怒られるのは嫌だ。
通信簿で休みの日数を書かれると、嫌でもお父さんに学校に行ってないことがバレてしまう。そこで私は修正テープを使って休みの日数を大幅に減らした。
なんとお父さんも先生も気づかず、無事に事なきを得た。
6年生になる頃には彼氏との行為も増えていた。前に記載した通り誰もいない時間があった私たちは、朝から猿の如くだった。
そのせいあってか周りの子とは話も合わなくなり、彼氏かYちゃんと遊ぶみたいなルーティンになっていた。
Yちゃんの家に行くとYちゃんのお母さんがすごく優しくしてくれた。朝に行けば私の分まで朝食を作ってくれたり、仕事に行く前に私たちにお昼代まで出してくれたこともあった。
私は両親揃ってて、家事もしなくて好きに遊んでても怒られない環境が羨ましかったけど、当事者のYちゃんは鬱陶しかったのかすごくお母さんにきつく当たっていた。
家庭家庭にそれぞれ悩みは付き物なんだなと思ったけど、私からしたら本当に羨ましかった。
学校にも行かずただ遊んで毎日過ごした。
親にバレることもなく小学校卒業までこじつけた。
私が中学に上がる年、兄も彼氏も高校に上がった。彼氏と兄は高校は別だった。学区が道一本挟んで変わってしまったので、中学はYちゃんとも別になった。
すごく不思議だったことがある。
小学校6年までは年関係なく遊んでたはずなのに、中学に入ると急に先輩風吹かしてくるやつが居ること。まぁ私はそんなのを気にするタイプでは無かったから、先輩とか関係なくタメ口だった。
入学当初こそ普通を装っていたけど、それも段々とダルくなってきた。
まず髪の毛を染めた。その次はスカートを学年1短くし、ルーズを履くようになった。周りは「そんな事したら、先輩に目付けられるよ?」と忠告をしてきたが「上等だよ」と言って気にしていなかった。
噂はあっという間に広まるもんで、学年で誰もして無かったことを最初にしたヤツが居ると先輩がクラスに来た。周りはざわついてたけど、私はお構いなしで相手にもしなかった。
兄の女友達の妹が1学年上にいた。よく私に会いに教室に来た。上級生が遊びにくるなんてあまり無かったことだから、周りはいつも一線引いてた。
教師からは「あいつの妹って本当?」って言われるくらい兄は目立たない存在だった。
中学に上がってから私の素行はどんどん悪くなっていった。遅刻は当たり前、むしろ行くだけマシな方だった。彼氏が原付の免許取って、改造したバイクに乗り出したと同時に2ケツ生活が始まった。彼氏も高校にあまり行かなくなり、兄とも高校が別になったことから前にも増して2人の時間が増えた。
兄が学校に行った後彼氏に電話して、家に来てもらう。来たら朝から致すこと致して、少しのんびりしてからお互い学校に行く。私は行きは彼氏の原付2ケツで登校した。私を送ったら彼氏は自分の学校に行くを繰り返していた。
たまに一人で学校に向かうときは、片手に缶コーヒーもう片方の手には煙草がデフォだった。学校に行っても友達なんて要らなかったし、そもそも話してることが幼稚でアホくさって思ってた。女子も男子もグループ作って、いじめの真似事したりやる事ガキだなって思ってた。そんなんだから話も合うわけないし、何より年上の彼氏との2ケツ通学とかYちゃんの通ってる学校との交流なんかもあったから、同級は話かけずらかったのかもしれないけど。
高校に入ってから彼氏が少しずつ変わっていった。いい方向ではなくて、最悪な方に…ここから本格的に、私の人生の転落が始まったのかもしれない。
まずいきなり「煙草は臭いからやめろ」「言葉使いに気をつけろ」「どこで誰といるのか必ず報告しろ」「言うこと聞けなかったら許さないから」
最初その言葉が理解できなくて「まぁ注意されるくらいだろうな」って思ってた。
そんな事すっかり忘れてYちゃんといつもと変わらず遊んでいた。流行りの歌聞いて男の話で盛り上がって、煙草吸っていつも通りの1日を過ごしてバイバイした後事件は起きた。
自宅に戻ると兄、彼氏、もう一人の兄の友達が居て遊んでた。
私の姿を見ると近づいてきた彼氏。
「お前煙草吸っただろ?くせーぞ」「は?関係なくね?」言い終わらないうちに思いっきり殴られた。「俺言ったよな?言うこと聞かなかったらって」
ここから彼氏の暴力が始まった。
言葉遣いだって、煙草だって今急に始めたわけだもないのになんでなんだろうと思った。私が中学に入って、彼氏は男子校に入ったからなのか独占欲が酷くなる一方だった。
最初こそ見えない所だったり殴られたりだったけど、どんどんエスカレートしていくようになった。
彼氏と2人の時は煙草は吸わず、言葉遣いも気を付けた。そうすると彼氏はいつも通り優しくて怒ったりもしなかった。原付いじって遊んで、2ケツで警察と追いかけっこしたり私たちなりに楽しんだ。
Yちゃんも学校に行かず昼間は家にいることが多かったから、朝から家に行っては夕方まで遊んでた。夕方からはうちに来て私が家事をしてる間に、愛犬ロッキーと遊んでくれたり兄とも仲良かったので話して時間つぶしてくれた。
そのままうちに泊まりも珍しくなかったし、私の父ともすごく仲が良かった。
父に晩酌の時にお酒継いでくれたり、酒飲みの話し相手してくれたりと本当に優しい子で、父も気に入ってくれてたし私も助かった部分が多かった。
夜父達が寝た後、Yちゃんと家をこっそり抜けて兄の原付を無免2ケツで走りまくって遊んだりもした。夜夜中に女2人で楽しかったなぁって、今となってもいい思い出だったりする。
門限と外出にうるさかった父の目をどうやってくぐるかを考えてばかりだった。そこで私は愛犬ロッキーの散歩に行くからと、夜21時ころに外に出ることが増えた。Yちゃんと近くの階段下で待ち合わせてお互いのワンちゃん同士も遊ばせながら、煙草吸ってだべってた。1時間以内になるべく帰るようにしてたけど、たまにYちゃんの学校の先輩後輩とも会ってた。
このことがバレて激怒したのがDV彼氏だ。「そんな時間に出歩くな」「俺の知らない奴と会うな」「男と口きくな」そう言ってボコボコに殴られた。
正直うぜーとしか思わなかったけど、私だって遊びたかったしDVされて済むならいいやって思ってた。
中学1年目はそんな感じで終わったと思う。最初こそ少しの加減のあった暴力も、まったく加減なんてなくなり酷い時には起き上がれなくなるほど殴られたこともあった。顔以外大袈裟なしに痣だらけ…だからなるべく長袖ジーパンとかで過ごしていた。
家事も小学校から変わらずだったし。唯一自分のお弁当だけは作りたくなくて、一切作らなかった。
中学1年時の担任と揉めた話がある。その男教諭は男女関係なく、下の名前を呼び捨てで呼んできた。私はどうもこれが気持ち悪くて、本人にキレたことがある。
「気やすく名前で呼んでんじゃねーよ」って言ったら「俺は大切な生徒だから下の名前で呼んでるんだぞ」「知らねぇし、頼んだ覚えもなきゃ止めろよ」その口論がたまたま通りかかった副校長に聞かれた。
「どうしたの?担任の先生と何かあったなら話してみなさい」って言ってくれたから話そうと口を開いたら「ちょっと待ってください!これは僕の生徒との問題なので!」とすごい剣幕で割り込んできた。
副校長も引かなくて「こんな廊下で大きな声で話してたらおかしくも思うでしょう。やましくないなら話に入れなさい」
そこまで言われた担任は何も言えなくなって黙ってしまった。
事の経緯を私が簡単に説明した。そしたら副校長が「生徒は女子だし、多感な時期に男性教諭から呼び捨てされたらいやかもしれませんね。一度親御さんも混ぜて話し合いをしましょう」と、それまたダルイ状況が出来てしまった。
その日に父は日中仕事で連絡が付きにくいので、緊急連絡先にしてあった母に連絡が行った。
たまたま数日後にあった面談の日に母は学校へ来て、担任、副校長、私、母の4人での話し合いが始まった。
母が切り出した。「この度は娘がご迷惑をおかけしたみたいですみません。あまり詳しく状況が掴めてないので、今一度ご説明願えますか?」と。
私は「は?私が悪いわけ?」と思ったが呑み込み話を黙って聞いていた。
副校長から「いえ、担任の男性教諭から下の名前を呼び捨てにされるのをご本人が嫌がってまして、当事者同士話をしてたんですが埒が明かなかったもんで、この場を設けさせていただきました」
次いで口を開いたのが担任だった。「担任をさせてもらっている〇〇と申します。この度はお時間お忙しい所来校いただき誠にありがとうございます。僕が生徒を下の名前で呼び捨てさせてもらってるには、僕なりに理由があるのでご説明させていただきたいと思います。1番の理由としましては、生徒との距離を縮めたくて愛称的に呼ばせていただいてました。まさか娘さんが嫌がってるとも理解せず、勝手なことして申し訳ありませんでした。」
すると母は「え?うちの娘がそんなことを先生におっしゃったんですか?ありがたい事じゃないですかねぇ。親しみもって接していただいてるのに、なんか逆に申し訳ありません。」すると今度は私の方を見て母がこう続けた。
「わがまま言って先生を困らせたらだめでしょう!先生は良かれと思ってしてくださってるんだから…。」
そこで今まで黙って聞いてた私はやっと口を開いた。
「あのさ、距離縮めたいってのはそっちの勝手な考えでしょ?それを押し付けないでもらえる?あとね、私がこうやって言ってるだけに思ってるのか知らんけど、周りの女子も嫌がってるからね。状況も呑み込めてないのに距離の縮め方間違ってんじゃねーよ。」
言い終えて間もなく母が私にキレて来た。「先生に対してなんて口の利き方をするの!謝りなさい、お母さんも一緒に謝ってあげるから!」
そこで私もプチっと来て「普段家にも寄り付かないで、何から何まで人に押し付けて家出といて、都合のいいときだけ母親面してんじゃねーよ。そもそも家にあんたが居たら、学校でこんな騒ぎになる前に食い止められたとかは考えないご都合主義なわけ?純粋に嫌だって思ったこと口にして、なんで私が責められてるのかわけわかんねぇ。それとね、一つ教えてあげるよ。自分でしようとしてることに「~してあげるから、~してあげたのに」って言い方するならしなくていいし、する意味無いから覚えておきな。」
そう吐き捨てて私はその部屋から出た。
後ろから母の「待ちなさい、話はまだ終わってないでしょう!」という声が聞こえたが、そんなの私には関係ない。あとは勝手にやってくれとその場を後にした。
数日後学校に行ったら担任から謝られて、他の生徒にも呼び捨てはしないことにしたと話を聞いた。
毎日の家事のストレス、父の酒癖の悪さの始末、DV彼氏の件など何処にも当たれる場所が今まで無かったからストレスもたまってたんだと思う。初めて母親にはっきり自分の口で文句言って少しすっきりもした。
ここまでがざっくり中学1年の時の出来事かな。次は中学2年の1年間を書いていこうと思う。
お見苦しい文面、また法律で禁止されてることが書かれてますがご承知くださるとありがたいです。私は生きてきたままのこの人生の振り返りをしたいだけで、決して犯罪を斡旋したいとかではありませんので…。
それでは次のお話でまた。
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