三国の頂点への召喚

第1話 序章

関中の地、東は函谷関に臨み、西は大散関に接し、南は武関を拒み、北には萧関がある。四方の関所の中央に位置し、守るのは容易で、攻めるのは難しく、進攻と撤退が自在にでき、戦争の潜在力が非常に高いことから「関中」と呼ばれている。また、この地は水と土が肥沃で、人口が密集し、物産が豊かで、地理的な位置も非常に良いため、帝王の基盤として最適であり、野心を抱く者たちから「龍の起こりの地」とも呼ばれている。秦は関中を得て六合を掃討し、八荒を平定し、宗祀を滅ぼし、蛮夷を誅殺し、天地を開拓し、不世出の業績を立てた！漢唐は関中を得て天下を数百年にわたって支配し、数百年間、天下の英雄豪傑が無数に現れたが、その基盤を揺るがすことはできず、漢唐も華夏で最も輝かしい皇朝となった！

しかし、関中によって天下を王とした最初の王朝は、秦皇でも、漢祖でも、唐宗でもなく、周武王姫発であった。周文王の時代、関中のこの地には「西岐」と呼ばれる別の名前があった。紀元前1046年、周武王姫発は仁義の師を起こし、太公姜子牙の補佐のもと、岐山に鳳が鳴き、天に代わって殷を討ち、大周八百年の江山社稷を創立した。万里の江山と千鈞の石、守業は創業よりも難しい！祖先が創業し、子孫が家を滅ぼす。不肖の子孫である幽王は、褒姒の一笑を得るために烽火で諸侯を弄び、社稷を子供の遊びとし、百姓を豚犬のように扱ったため、西周はついに蛮夷に滅ぼされ、東周が建てられて洛邑に遷都した。

その時、西方に「秦国」と呼ばれる小国があった。この国は小さく、民も少なかったが、国君は賢明で、秦人は勤勉で尚武であったため、十数代の君主の励精図治の下、秦国は徐々に強大になり、中原の大国からも無視できない存在となった。秦人は中原の諸国から「西戎」と呼ばれていたが、実際には華夏族の西遷した各大部族の一支であった。秦人の先祖である嬴氏は、殷商時代には西戎を守る有力な将軍であり、商朝から重視されていた。商が周に滅ぼされた後、嬴姓部族は商紂王の子である武庚が引き起こした反乱に巻き込まれ、西周の統治者から罰を受け、西遷を強いられ、全族は奴隷と化した。周孝王の時代、秦の先祖である秦非子が周王室の馬を飼う功績により、周王から附庸に封じられた。これ以来、秦人は世代を越えて周王室の馬を飼い、西戎と戦った。

周夷王以降、周王室はますます衰え、秦人に西部の平和を維持するために頼らざるを得ず、多くの土地を秦国に与えたため、秦国は徐々に強大になった。紀元前821年、秦人は秦荘公の率いる下、弱いながらも西戎を撃破し、周宣王から西陲大夫に封じられ、天水と犬丘（咸陽）の地を再び賜った。紀元前772年、周幽王が西戎に攻撃されて殺され、秦襄公は周を救うため兵を率いた功績により、周平王から評価され、周平王を東遷させた功績で諸侯に封じられ、歧山以西の地を賜った。これ以降、秦国は正式に大周の諸侯国の一つとなった。秦国の多くの君主は西戎を討伐するために戦死し、戎人との長年の戦いが秦人を能征善戦に育て上げた。しかし、秦は偏僻な地にあり、国力も弱かったため、強軍を持ちながらも中原の諸侯国から重視されなかった。

秦穆公の時代に至り、秦は西方の戎族十二国を次々に滅ぼし、国土を千余里に拡大し、後方を安定させて実力を増した。さらに蜀国を滅ぼし、巴蜀の天府の地を得て、秦国は戦国七雄中で最大の版図を持つ国家となった。殷周時代から秦国が立国し、西垂に都を定めて以来、秦国は八度の遷都を経て、その都度拡張し、百年の歳月と無数の人財を費やし、最終的に咸陽に都を定めた後、変動しなかった。

秦孝公の時代に、蓋世の大才である商鞅を任用し改革を行い、変法後、秦国は日進月歩で強大になり続けた。孝公の死後、商鞅も亡くなったが、秦法は存続し、秦は戦国後期で最強の国家となった。周が八百年続き、春秋戦国四百年、天下は一日も戦火を免れず、秦王嬴政が秦王位を継いで初めて統一の希望が現れた。紀元前221年、秦王嬴政の指導のもと、秦は十年間で六国を迅速に滅ぼし、天下を統一し、大秦帝国を建てた。秦王嬴政は六国を滅ぼし、四百年以上続いた戦争を終わらせ、天下を再び平和に戻し、亘古未曾有の功績を立てたとして、「王」ではその功績を表しきれないと考え、「德高三皇、功過五帝」と自称し、「皇」と「帝」の号を兼ね、「皇帝」と名乗り、その始まりの皇として史上の秦始皇とされた。

秦始皇はその後、分封を廃止し、郡県を立て、文字を統一し、車の軌を同じくし、驰道を建設し、長城を修築し、南越を討ち、北戎を攻撃した……しかし同時に民力を乱用し、国内で民怨を引き起こし、百姓は不平を鳴らした。始皇が在世している間、天下は安定していたが、始皇の死後、国内で起義が相次ぎ、六国の遺族が復活し、再び天下は混乱に陥り、烽火が起こり、英雄が次々と現れた。秦がその鹿を失い、天下は共にこれを追った。

霸王項羽は鬼神のごとき気迫と蓋世の勇武を持ち、部隊を率いて関中に入り、阿旁宮に火を放った。数百年の歴史を持つ咸陽は大きな被害を受け、宮殿の万間が土となり、かつての繁栄は二度と戻らなかった。項羽は雄姿英発で豪気に満ちていたが、人を扱うことが硬直しており、あるいは残暴とも言え、始皇を超えるほどで、天下は皆反発した。漢王劉邦は仁義の師を率い、謀聖張良や兵仙韓信などの大才の

漢王劉邦は仁義の軍を率い、智将張良と軍神韓信などの才能ある人々の補佐のもと、最終的に項羽を打ち破り、大漢帝国を建てた。

漢は関中を得て天下を統治したが、関中の珠玉である咸陽はすでに項羽によって焼き払われていた。

漢初期の国力は限られており、咸陽を再建して都にするのは費用対効果が合わないと考えたため、張良の提案に従い、劉邦は咸陽の東五十里の地点に新たな城を建設することを決め、「長安」と名付けた。この名は「長治久安」を意味している。

長安は文帝、景帝、武帝など数代の皇帝の絶え間ない建設の努力により、ついには関中の地にそびえる壮麗無双の大都市となった。

周囲の城郭は百里を超え、最盛期の城内人口は百二十万人に達した。

一方、五十里西の咸陽は次第に荒廃し、人々に見向きもされなくなり、毎年冬の寒風がこの数百年の古都の嘆き声のように響き渡った。

漢は仁義によって天下を得たが、高祖劉邦はその出自が卑しいため、いくら粉飾しても王族や有力な豪族たちの認めを得ることはできなかった。

そのため、大漢は表面的には国泰民安のように見えても、背後では常に暗流が渦巻き、反抗は絶えなかった。

劉邦の時代、復国を図る六国の遺族たちは軍中の反将と共謀して反乱を企てたが、劉邦によって力で抑えられた。

劉邦の死後、呂后が権力を握り、江山は危うく易主しそうになった；

文帝の時代には、漢廷は内乱に陥り、同姓八王が各大反対勢力の支持を受けて反乱を起こし、兵鋒は長安に直指した；

武帝劉徹は、百家を罷黜し、儒術を独尊することで、儒道以外の百家を漢に背かせた。

しかし、武帝は雄才大略を持ち、対外的に匈奴と戦うと同時に、国内の百家の反乱を鎮圧し、強制的に百家を儒教に帰するよう迫った。

西漢末期、官僚は腐敗し、皇帝は昏庸で、地方は苛斂誅求により豪強が土地を兼併し、百姓は流離失所し、生活は困窮を極めた。人心は動揺し、政治危機は一層深刻化した。

紀元9年、豪族出身の王莽が漢を代行し、新朝を建て、「始建国」と改元し、新政を推行することを発表したが、最終的に改制は失敗に終わった。

王莽の統治末期、天下は再び大乱し、起義軍が各地で蜂起した。

新莽地皇四年、起義軍が長安に攻め入り、一代の英雄も乱軍の中で命を落とした。

そして、各地で蜂起する義軍の中で、劉秀の勢力は日増しに強大となり、劉秀は天下の世家と天下を共有することを約束し、世家の支持を得た。

世家の支持を得た劉秀は迅速に天下を統一し、大漢を再興したが、旧都長安はすでに戦争で破壊されており、国都の重任を担うことができなかったため、洛陽に遷都し、これにより大漢帝国は東漢時代に入った。

劉氏は天下を再び取り戻したが、光武帝劉秀が世家と天下を分け合うことを約束したため、地方の実権が世家の手に落ちた。

世家はまるで蛆のように、大漢の精華を吸い尽くして自己を肥え太らせ、最終的には尾大不掉の状態となった。

時至今日、再び二百年が過ぎ、東漢王朝は再び腐敗し、天下大乱の兆しが現れている。

すべての野心を持つ者たちは密かに力を蓄え、東漢の腐った大樹が倒れるのを待ち、群起してその死体を分食し、再び天下の共主の座を争おうと狙っている。

この野心を持つ者たちの中には、改名改姓した王公貴族がいれば、儒道に潜む諸子百家もおり、さらには常に大漢の最も忠実な走狗であった秦人さえもいる。

大秦帝国が滅亡してからすでに四百年以上が過ぎ、関中の大多数の秦人はすでに自分たちの祖先を忘れ、大秦帝国の栄光を忘れ、長安の西五十里にある咸陽県がかつてさらに壮麗な大都市であったことを忘れ、漢人を自称し、大漢帝国のために血を流し涙を流している。

肉体は征服しやすいが、血脈に刻まれた世代伝承の印は永遠に消えることはない。

秦の精鋭たちは漢の地にありながらも、心は大秦に向いており、大秦を心に抱く秦人たちは、漢帝国が極めて虚弱な時に、彼らを率いて漢帝国に最後の一撃を加え、大秦を再現し、秦人の輝きを再び現すことができる、始皇に匹敵する偉大な指導者を密かに待っているのだ。

その時、長い間日の目を見なかった秦人たちは堂々と街に出て、「私は秦人だ」と正々堂々と述べることができ、再びあの不朽の戦歌を共に歌うことができるだろう。

赳赳老秦、我が河山を復す。

血が流れ尽きるまで、死ぬまで戦いを止めない。

西には大秦あり、昇る日の如し。

百年の国恨、沧海も平らかならず。

天下は乱れ、どうして安寧を得られようか？

秦には鋭士あり、誰が覇を争おうか！

我々の物語もここから始まるのだ！