俺に降りかかる災厄(仮タイトル)
救いの手
第1話
心地よい風が吹く縁側で俺、佐原優斗はお茶を啜っていた。
「久しぶりに飲んだけど、お茶ってうめぇわ」
なんとなく気配を感じて庭の方に視線をやると藪から小麦色の耳をひょこひょこと覗かせている…気になる、だが俺はお茶を啜る
「お茶うめぇ」
ひょこひょこ
「お茶うめぇ」
ひょこひょこひょこ
「お茶うめぇ」
ひょこひょこひょこひょこ
気のせいか回数が増えた気がする。
~~~~~~~~~~~~~~
それからお茶を何度か啜った
「お茶、おいしかったなぁ…もう1杯っと」
俺は急須を使いお茶を注ぐ
「なんでじゃ!」
「ん?」
庭の方がなにやら騒がしい、
「なんで!そこは声をかけるとこじゃろ!!」
庭に視線をやると巫女服を着た狐のような、いや狐の耳と小麦色でふさふさの尻尾を持ったロリッ娘が立っていた、幻覚か?
回想…
俺は大学を卒業後上京
ブラック企業、勤める、過労死寸前
その後実家に療養の為帰還!
現在
~
やっぱ幻覚か?
そう俺が考えていると
「違うのじゃ!」
否定するんだ…あれ、俺口にだしてたか?
まぁいい、現実的に考えて狐の耳が付いてる人間などこの世に存在しない、うん幻覚だな
QED.証明完了。
「おい!お主聞いておるか?」
「ズズズ、ズズズズス」
「おーい!」
「お茶うめぇ」
「おーーい!」
「何?」
「お主何故儂を見て反応せんのじゃ!」
「だって、明らか幻覚じゃん?そりゃ無視しますわ…ズズズ」
「たとえ幻覚だとしても反応はするじゃろ?」
「ズズズ…まぁ今反応してるし…ズズズ」
「…」
「…ズズズ」
「ズズズ…」
「一旦お茶を啜るのを辞めるんじゃぁ!」
「ズズズ、ズズ?」
俺は首を傾げながらもお茶を啜るのを辞めない
「…グスッ」
あぁ泣いちゃったよ、お茶うめぇな
「ズズズ」
「グスッ」
「ズズズズ」
良心が痛むが俺はお茶を啜る
「グスッ…」
「ズズズズズズ」
「…」
「ズズズ」
「もうグスッそのままで良いのじゃ、儂はお主に"忠告"しに来たのじゃ」
「忠告?(お茶を置く)」
なにやら大事そうな話だと
「そうじゃ、お主は今後大変な目に遭うのじゃ」
「詳細は?(お茶を持つ)」
「それはぁ…わからないのじゃ!」
「えぇ(困惑)」
「仕方ないじゃろ!儂はこの地の土地神、お主が都になど行くから、他所の土地は儂の力じゃ守れぬのじゃ」
「でも今は帰ってきただろ?それじゃ駄目なのか?(お茶を啜る)」
「ズズズ」
「今は儂が
「そのなんだっけ、災い?の詳細が分からない以上なんにも対策できないわけで」
例えばトラックに引かれる等の事故「あっこれかぁ災い」と気づいたところで時既にお寿司な訳で
「それに「そこでじゃ!」」
「儂がお主に力を授けよう、お主が心配してた事故も万事解決じゃ!ドヤァ」
「力?めちゃくちゃ身体能力上がったりするのか?岩を粉砕できるくらい」
「それは無理じゃ!お主は人だからの人としての限界があるのじゃ」
「…じゃあ魔法が使えたり?」
「もっと無理じゃ…妖術の類いは儂みたいな土地神や妖怪が使えるものじゃ」
「じゃあなんなのさ(飲みきったコップにお茶を注ぐ)」
「儂を何時でも呼び出せる券じゃ!!!」
「えぇ(困惑)」
「命の危険を感じた時、儂の名を頭の中で呼ぶのじゃ!そうしたら儂が助けてやれるのじゃ」
何故この狐はこれでドヤ顔が出来たのだろうか
「それってさ、事故防げなくない?」
「む?」
「何故じゃ?…トラックだって儂は念力で動かせるぞ?」
「例えば上から女の子が降ってくるとするだろ?」
「変な例えじゃな」
「で俺が下敷きになるだろ」
「うむ」
「女の子の速度にもよるけどさ、俺が頭の中でお前を呼ぶ暇有るか?」
「…………………」
「ズズズ」
「盲点じゃ…」
「…」
馬鹿なのかこいつは
「馬鹿って言った方が馬鹿なのじゃ!」
てかやっぱり心読んでるよねこの馬鹿狐
「儂は土地神じゃぞ、お主を守っておるのじゃ敬うのが普通じゃろ!」
_______________
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