2 どうしようか

 彼はもう何を聞いても首を横に振り、申し訳無さそうにするだけだった。しかし、想定内だ。なぜなら彼は本当に何も覚えていないからだ。彼はもう一人の男に記憶消去を行われた形跡がある。だが、ただの一般人にそのようなことができるだろう可。普通ならば、ありえない。記憶消去なんて厳しい試験等を突破したものにしか与えられない。だと下ら、そのもう一人の男はその資格を持っている可能性だって出てくる。つまり医者だ、命を救うはずの彼らが冊陣を起こしたとしたら…そんなのありえない。そう信じたい。さて、此の後は、どうしようか彼に説明をしなくてはいけない。けれど信じるだろうか?俺は信じない。急に少し話した刑事から

「黄身は共犯者の男に記憶を消されたんだ」

なんて。ただの困惑ものだ。まず、自分が犯罪を犯したとも、同時に言われているのだから。少しだけ彼に休息と称した俺の考え事の時間を与える。そうした瞬間、違和感が背中を走った。彼が、羽後、動かない。人形のよ雲丹。あんだけ生き生きしていた眼も突然光を失った。ロボットが、自ら心だ。

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膿其処冊陣治兼 零鶴玲奈 @kkigdmhhryt10120502

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