第8話 カラオケ
2人が宿に戻るとちょうど食事の始まる時間だった
「2人一緒だったんだ?」
「うん」
「よかった。遅いからちょっと心配だったんだよ~?」
「ごめん愛里さん」
「いいよ。無事なら問題ないしね。それより食べよ」
今度は美咲が言った
「湊龍君も早く」
「あ、あぁ」
焚迦釈は促されるまま席に着く
大勢の楽しい晩餐の始まりだった
「ねぇ、ご飯食べたらカラオケ行きたくない?」
「何でまた?」
「美咲と散歩してて見つけたんだぁ」
愛里は嬉しそうに言う
「いいじゃん。俺行く」
明憲が真っ先に乗ってきた
「「俺も」」
圭希と亮介が同時に言う
「紫音ちゃんと湊龍君は?」
「皆が行くなら行くよ。ね焚迦釈君」
「・・・別にいいけど」
焚迦釈は淡々と答える
皆が一瞬静まり返った
「・・・って事で準備したら玄関に集合ね」
紫音がそう言ったことで皆救われたとでも言う顔をした
食事をすませるとひとまず部屋に戻って準備することになった
「紫音ちゃん呼び方変わってたね」
「え?」
「湊龍君」
「あ~そういえばそうだよね~?」
「流石に鋭い」
紫音は苦笑する
「何か2人って似たような空気持ってるよね?」
「空気?」
愛里の言葉に紫音は首をかしげる
「必要以上に人を寄せ付けない感じっていうんかなぁ?でも2人がお互いの存在認めてるのは何となく分かるかな」
「美咲も思った。湊龍君紫音ちゃんの前だけ表情柔らかくなるよね」
「うそ・・・」
「本当だって。それよりそろそろ行かなきゃ」
「あ、本当だ。明憲君うるさいし」
「またまた。それが嬉しいくせに」
「ばれた?」
苦笑しながら言う美咲に2人はあきれたように笑う
「とにかく行こ」
「うん」
愛里に促されて美咲と紫音も部屋を出た
玄関にはすでに男性陣がそろっていた
「遅いぞ~」
明憲が待ってましたといわんばかりに言った
「やっぱり」
美咲の言葉に2人は苦笑する
「けどカラオケどこにあった?」
「歩いて5分くらいのトコ」
「マジで?」
「けどこんな田舎やったら高いやろうなぁ?」
亮介がボソリと言う
「そういうこと言わない~」
「そうだよ亮介君。こういう時はパ~っと遊ばなきゃ」
「分かってるけどさ・・・」
「亮介の負け。男らしくど~んと構えろよ」
圭希が言う
「わぁったよ~」
諦めたように言う
皆で話してるうちに店に到着していた
「ここだよ~」
愛里が言う
「へぇ・・・こんな近くにあったんだ?」
田舎なのに意外と近くに娯楽施設があることにどこか喜びを感じる皆だった
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