白い悪魔の楽しき人生
片栗粉
第1話 願い
お父様は子どもが嫌いな人だと思っていた。お兄様は家族に興味がない人だと思っていた。
しかしそれは、私の希望でしかないと知った。
ある日、私に妹ができた。血の繋がっていない妹。お父様もお兄様も妹には優しかった。
私には向けたことのないような笑みを浮かべ、その子が愛おしい存在とでも言うように見つめていた。その時に私は気付いたのだ。
あぁ、嫌われていたのは、愛されていないのは私だからなんだって。
そうやって気付いてしまえば、もう何もかも心底どうでもよくなって、いつの間にか妹殺しを計画する残忍な女になっていた。
そして私は今日処刑される。他でもない、お父様の手によって。
ここで私の回想は終わる。何故かって?今、お父様が剣を振りかぶったから。
18歳。その若さでフォルテ・ガーデンは人生の幕を閉じた。
誰でもいい。本当に来世があるなら、どうか誰か私を愛して。
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