覚醒!テイマースキル!

 テールがアルミラージという兎の魔物と交戦しており、僕達がその場に到着すると突如僕の頭の中に声が聞こえてきて、僕は戸惑う中、声の主が思うだけで会話ができると言うので、僕も思考で声の主と会話をする事にした。


『まず、あなたは一体誰なんですか?』

『失礼しました、私はこの世界で「スキル」を司る神です』

『スキルを司る神?』

『ええ、そしてあなたをこの世界に転生させたのも私です』


 スキルを司る神様が僕をこの世界に転生させた?そもそもこの世界におけるスキルって何だ?様々な思いが頭のなかに渦巻く中神様は僕に話しかけてきた。


『色々と戸惑うのは無理もありません、ですがあなたはこの危機を脱するスキルを所持していますので教える為に声をかけさせていただきました』

『スキル!どんなスキルなんですか?』

『テイマースキルといい、あなたが前の人生で動物に好かれる特性をより強めたものです』

『そんなスキルが僕に……』


 確かに僕には動物に好かれるという事があったけど、それがとんでもなく強い特性になっているなんて。


『それで、どうすればいいんですか?』

『強く念じ、魔力を放つのです、今のあなたのスキルレベルならばアルミラージ程の魔物なら手懐けるでしょう』

『分かりました、やってみます』

『それではお願いしますねニック、どうかこの世界の争いを収めてください』


 争いを収める?とりあえずはやるしかないな。


「テール、僕にあのアルミラージを任せてくれ!」

「ニック様!無茶です、今のニック様ではアルミラージを退治はできません!」

「考えがある、僕を信じてくれ!」

「……その目、何かありそうですね、承知しました、オリビア、コール、それからゲイン、不測の事態に備えていて!」

「承知しました」

「任せてください!」

「はっ!」


 オリビア達も失敗したときに備えてくれている。よし、いくぞ!そう思った瞬間、僕は自然と詠唱の言葉を口にした。


「我に宿りし力よ、彼の者の邪を打ち消し、我に従う眷属とせよ!モンスターテイム!」

「モンスターテイム⁉」


 僕の手からなにか光線のようなものが出て、アルミラージに向かっていき、それがアルミラージを包み込んでいく。上手くいったのか?


「ニック様……」


 テールが案じる中、アルミラージを包み込んでいた光が消えて、オリビア達もアルミラージに接近するが次の瞬間、アルミラージが目を覚ます!


「ニック様危険です!お逃げを」

「いや、大丈夫だ」


 僕はこの時、アルミラージにはもう敵意がないことを確認し、実際スキルを放ったアルミラージは僕になついてた。

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