第34話 V4:小説の書き方 Scrivere un romanzo

「小説ってどうやって書くんだろ?」

「いろんな人がいろんなことを言ってるね」

「へぇどんな?」

「タイプに紙を挟んでキーを叩けばいい。とか」

「アホや!」

「あるとき主人公がいきなり目の前に現れて、自分の経験を滔々と語り始めた。私は聞いたことを書いただけだ。とか」

「無責任やのぅ!」

「まぁこういうのは放っておいて」

「放ってていいの?」

「二つのタイプが居ることは確からしい。ひとつは、文章として考えるタイプ、文の中でいろいろ考えて書いていく人たち。もうひとつは、イメージというか絵とか動画で捉えて、映画を見るような感じで文を書いていく人たち」

「文型、絵型ってことかな?」

「意識して小説読んでみると、あぁこの人はこっちの型だなぁ、って思うことがある」

「言われてみれば、ラノベは絵型が多いような気はするね」

「あと分類するとすれば、割合ストーリーをきっちり決めて書いていく人と、状況とキャラクタを決めてあとはキャラクタ任せの人」

「あなた任せの人もいるんだ」

「幻魔大戦などを書いた平井和正さんとか典型的なキャラクタ任せらしい。キャラクタが勝手に走った方が良いものができるみたいなことを言ってたような……」

「そんなやり方で小説書けるってすごいことじゃない? 才能あるなぁ」

「かの H.P. Lovecraft は Notes on Writing Weird Fiction の中で次のようなことを言ってるね」

――Atmosphere, not action, is the great desideratum of weird fiction. 超自然的な創作についてとても望まれるべきものは雰囲気であり、行動ではない――

「やっぱり、創作って人それぞれなのね」

「才能と努力だと思う」

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