第46話 最終帰還
【三風視点】
「いっ…て!」
想像以上の痛みが走り、思わず叫んでしまう。これ、直撃したぐらいな気がするんだけど…足とか、歩けるけど焦げてるし…
「よお…お前だけは殺しておきてぇんだよ…なあ!」
幾度となく聞いてきた声が聞こえる。はぁ…本当に腐れ縁だな…振り向くと、黒焦げになった田中がいる。
「ほんっと。うざいな。しぶといんだよ。ゴキブリかよ。」
「なんとでもいってもらって構わねぇ…俺は今からお前を殺すからなぁ!メンタリスト使用!動くな!」
そうだ…こいつメンタリストだった…ちょっと多量出血で記憶がおかしくなってた…
田中が走ってくる。せめて、避けれたらなぁ…
そう思い、右足に力を入れてみる。動くはずのない体が動く。そして、力が入った反動で自分の体が左にそれ、ナイフを躱す。え…?
「メンタリストって、一番近い人に発動するのら。だから、私が一番近づいて、判定を吸ったのら。」
大久保さんが顔を上げる。匍匐前進でここまで来たの?流石、剣道やってるだけあるね。てか何で動けてんの?
「残念だったのらね…序列3番目までの鬼にはメンタリストの効果が薄いのら…」
その言葉が終わるかどうかのときに、田中が倒れる。限界だったんだろうな…
僕もその場に座り込む。やべ…血が止まんねぇ…意識も保つのが限界だし…
『おめでとう。面白かった。君たちも3日間のデスゲームお疲れ様。とりあえず、今黒衣に向かわせて止血するから。』
ほんっと。優しいんか優しくないんか…わかんねぇな…
また変な薬品をかけられ、血が止まる。それでもちょっと吐き気とかすんのよ。血が足りてないから。
ぼぉっと話を聞く
『じゃあ、恋人陣営の勝利だが…勝ったから【家族】になるな。じゃあ3人選んでくれ。死んだ人でも構わない。』
あぁ…言わないと…
僕はまだ朦朧としている頭を動かし、名前を言う。
「まず…大久保さん。それで…獅子兄妹2人を生き返らせてくれ…」
『分かった。じゃあ、宮田が戻った場所に飛ばすからな〜』
え?それじゃあ、私は良いけど、他の人がどうなる…
急に引っ張られる感覚がして、意識を失う。
『良い実験データが取れたな…やっぱり、生き残るのは正義なんだな。あいつは冤罪だし。』
GMはマイクを切る。
騒々しい音で目覚める。朝日が目に染みる。ふあぁっと欠伸をし、伸びをする。
そして、自分の服を見て絶望する。あ…警察署が免れないパターンだ…
僕の肩に寄りかかっている氷室さんを起こす。む…なかなか起きない…
あれ使えるのかな?
「【雷鬼】使用。静電気」
髪の中でパチという音が聞こえる。あ、使える。
「んあぁ?ここどこだ?なぁ…今西暦何年?」
突然そんな事を聞いてくる。
「2024年ですけど…」
「え…」
10秒ほどフリーズする。あ、そっか。この人別の地球だから…
「僕のところ2050年何だけど…終わった…」
氷室さんが頭を抱える。あぁ〜帰れないですねぇ…
そして、一つ重大なことを伝える。
「知ってます?ここから離れられないんですよ。僕たち。だって服がヤバイんですもん。」
彼がおもむろに服を見る。すぐさま頭を抱える。
「警察署直行ルートじゃねぇかぁ!」
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「警察署直行ルートじゃねぇかぁ!」
こんにちは。むぅです。いやぁ…あと1,2話で、しぃずん1が終わりますねぇ…ここまで続けられたのは奇跡ですよ。奇跡。だって、自分飽き性なんですもん。まぁ…執筆を続けていきます。
以上!
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