第25話 数学者
「はぁ…なんで見捨てたのら…ひどいのら!」
文句を言ってくる。
「だってさぁ、私が庇う理由ないもん。どちらかといえば、目の前にいることを確認しなかった貴女が悪いんじゃないの?」
「正論を言うなのら!」
いやいや、そんな事を言われましてもねぇ…僕、戦闘に特化しているとかそんな訳でもないし…貴女庇ったところでって話なんだよね。
ゆる~く言い合っているうちに、前の人に声をかけられる。
「あの、あなた達って、大久保 愛理さんと、三風 楓さんですか?」
急に僕たちの名前を呼ばれる。え!?何この人?ストーカー!?
「誰のら?急に名前呼ばれてびっくりしたのらが。」
「あ、すいません。僕の名前は、三島 和也です。役職は【数学者】です。今の反応をされたってことは、やはりお二人方が生き残った人ですか。お二人方の中に恋人がいるはずなんですけど、どちらでしょうか?」
うーん。今、この人脱落させちゃっても良いんだけど、隣りにいる人の役職が【自爆者】とかだったら詰む詰むになっちゃうから、やめておこう。
「あ、僕が恋人ですね(嘘)。大久保さんがペアでして(大嘘)。別に敵対することもない役職だと思いますが。」
「それで、私が観測者のら(嘘)。5分毎に通知が行っちゃうから気をつけてほしいのら。」
なんとか誤魔化す。これで、「鬼と恋人でぇ〜」なんて言ったら絶対に数学者で殺されるからな。
「そうですね。そこで敵対しても意味ないですからね。では、今から市民たちが集まっている秘密の場所に招待します。そこには鍵があるので、好きに解除してもらって構いません。何回も使えないとは言われてないですから。」
えぇ…?そんな都合よく事が進むことってある?こっちとしては有り難いけど。というか、ここのGMゲーム管理ガバガバじゃない?命賭かってんのにさぁ。
「でも私、観測者だから位置バレちゃうのらよ?大丈夫のら?」
「あ、その点は大丈夫です。スマホの位置がおそらく発信源なので、スマホを投げ捨ててもらえば…」
Why do you know!?え?まじでなんで知ってるの?
「な、なんで知ってるのら?」
「あぁ、この中にハッキングが得意な方がいらっしゃいましてね…、内部をいじることができなかったらしいんですけど、ルール内部は一分間ほど見ることができまして、観測者はスマホが発信源って書いてあったらしいです。」
その人、ホワイトハッカーか、ブラックハッカーのどちらかだよね?犯罪者か、いい人なのか分からないよ!?
「じゃあとりあえず、スマホをそこに置いてもらって、行きましょうか。」
そうして、僕たちは敵のアジトに乗り込むのであった。
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作者の心の中タイム〜
今回はですね、正直に言っちゃうと、のらのら言わせておけばいいと思ってました。うん。それだけを考えて書いていました。それだけです。それだけを言いに来ました。
終わり!
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