第41話  「ドクン」


食堂で1人で待っていると女中さんが‥‥ お茶を淹れてきてくれた。


多分女将さんの采配だろう。


『ありがとうございます』


席を立ちお辞儀する。


『ごゆっくり...』


女中さんは笑顔で言って”ささっ”と厨房へ。

前に”ふん”ってされた女中さんだ... 


苦笑する俺だった。


淹れてもらったハーブティーは良い香りがした。

”ズビッ”と飲んでみる。適温だった。  


『美味い...』


ハーブティーを俺が楽しんでいると‥‥


『おっまだせ!ゴクどーさん...』


ノビが”キラキラ”の新品装備を付けて自信満々で食堂にやって来た。


グリーン・トータルのヘッドギアにゴツい金色の”キラキラ”ゴーグル。

緑色のラバースーツで顔出しのスタイル。

指にメリケンサックを嵌めている。

グリーン・トータルの甲羅の胸当てはカッコいい。

ビッグ・ジャンプ・フロッグの緑の水掻き付きブーツを履いている。

カエルとカメの「-融合進化版-」の新装備だった。


『凄いな...ノビ』


『先生にがっでもらっだんさ』

『貴様────!!余計な事を────!!』


パメラがすごい剣幕で食堂に入ってくるが”ケロっ”と鳴く。


『先生!!ぎれいだなぁ‥‥』


ノビは”ポワ────ン”としてパメラに見惚れている。


少し朱くなったパメラだが‥‥


『ゴクちゃん....どう?』


ノビを無視して目の前で”クルッ”と回る。

”ヒラヒラ”の紅いシルク生地の超ミニスカート。

それが”ふわふわ”っとめくれて‥‥

薄い紫色の「薔薇柄レースのスキャンティーの「OOバック」さん」が

出荷とばかりにあかい「薔薇柄ネットタイツ」に梱包されて

回転木馬メリーゴーランドに乗って「〝ハハハハの顔〟」で

笑ってるように訴えかけて〝「お尻の割れ目」〟を流していった。


視線が釘付けになる。


顔に血が昇る俺だった。


ノビも”ポワ────ン”として回った時に香った‥‥ 

サンドル製パルファムの香りと共に頬を朱くしている。


確かにいい香りだ...


匂いで‥‥”ボ────────”となってしまう。

気分が昂揚する‥‥


『どうなのよん?‥‥ゴクちゃん...』


なまめかめかしく言うパメラの装備は‥‥

「薄い紫色の薔薇バラ柄のセクシーブラ爆弾ダイナマイト」を

いつもより多く露出していた。

トレードマークの大きい紅の鍔広つばひろの帽子を被り

チューブトップのような紅で蛇皮のジッパー式コルセットを着ていた。

紫色の宝石がついた蛇の目が光ってるモチーフの

ヘソピアスが綺麗に光る。

紅色のひらひらシルク生地の超ミニスカート。

紅の薔薇バラ柄のタイツがとても目立つ。

蛇皮の太ももまでの紅のブーツを履いていた。

紫の宝石がついた短い杖も持っている。

大人の色気爆発のパメラの新装備だった。


『似合ってるな...』


また顔に血が昇る。


『ゴクちゃんの合わせてみたのよん』

『俺のおごのみなんさ‥‥先生』

『貴様の為では...  無いわ...』


”ふらふら”して

ノビはパメラを"ポワ────ン"と見る。

真っ赤になり下を向いたパメラだった。


なんか恒例の...出なくなってきたな...

まぁ...これはこれで...面白いからいいか...


”ニタリ”としてしまう。


『お待た───────!!』

『お待たせにゃ!!』


ジュリとアリーが食堂に入ってくる。

2人も気合いの入ってる装備だった。


ジュリの装備は‥‥

黒のレザーキャップに金の耳ピアス。

黒のレザーブルゾンで‥‥

レザーブルゾンのジッパーを開けている。

胸は黒レザーのクロスしてるチューブトップで

「ヌーブラン」のお陰だろう「小谷山Cカップの谷間」が出来ていた。

「肩紐無しの白黒のボーダーセクシーブラ」が全く隠れていないが‥‥

ジュリはむしろ見せているかのようだった‥‥

ヘソに”ゆらゆら”揺れる金のピアス。黒のレザーの超ミニスカート。

白黒のボーダーのガーターが太ももに存在感をアピール。

薄い生地の黒の柄タイツはなんとも色っぽい。

太ももまでの黒のレザーブーツを履いて‥‥

手には青い宝石の付いた長い金の杖を持っていた。


『変だー...ゆっくぅりぃ見ていいよ...』

 

ジュリは朱くなった頬を膨らませる。


『に・似合ってるな...』


『イエ────イ!!』


飛び上がって黒のミニスカートが”ハラッ”と上に捲れた。

めくれて見える美脚の太もも‥‥

スローモーションのように白黒のボーダーガーターと

黒編みタイツさんに包まれた「白黒極小紐ボーダーパンティー」が

「紐が取れても大丈夫 安心のセキュリティー」と訴えかける。

「小谷山」も”ぷるっ”と揺れた‥‥


[...”ふふふ”...わたしのお気に入り...見せれた...] 

思うジュリだった。


俺の目線に気付きジュリが朱くなって照れている。


おいおい...ジュリさんや...俺が恥ずかしー... ではありませんか...

わざとでしょ?... 見せてるの...

朱くなって下向くぐらいなら... しないほうがいいのに...

まぁその仕草は可愛いいんですけども...

しかしです...ジュリさん...

あの「白黒極小紐ボーダーパンティー」は...

...”極ど”過ぎるんじゃあ────りませんか?...


目眩めまいがして猛烈に顔に血が昇っていく。

必死にジュリから目を逸らし‥‥ アリーを見た。


アリーの装備は‥‥

獣人用の黄色と緑の迷彩柄のデニムのオーバーオール。

オーバーオールの前ポケットに大きな「照準器」を挿している。

黄緑色のTシャツが可愛いい。

赤の星のマークが入った黄緑色の限定ハイカットシューズ。

いつもの たすき掛けしている茶色の革バンド。

例の大型魔導銃を背負っていた。


『アリー...今日も気合い入ってるにゃ』


”ハッ”やってしまった。


メンバーに”ゲラゲラ”と笑われた。


おいおい...ジュリさんや...あなたのせいで...気が動転して...

またアリー語を...話してしまいましたよ...

とほほ....


『”ははは”真似が上手いにゃ!!』 


アリーに”ニコニコ”で褒められる。

頭を撫でて‥‥ 恥ずかしいのを誤魔化した。

アリーは隣に座って”ニコニコ”を続ける‥‥

癒されて少し落ち着いていく俺だった。


2人の後ろから‥‥


『ダー様のお好みに合わせたつもりで...少し派手にしてみました...』


艶かしい声でアカリが食堂に入って来た。


声を聞いてその姿を見て‥‥一気に‥‥顔に血が昇る。

アカリも照れて顔を真っ赤にしている。


アカリの装備は‥‥

髪は白のかんざしで纏めて色っぽい。

耳には白と金のストライプのピアスが揺れている。

上半身が透明に透けてる白のチャイナドレス。

「金と白ストライプセクシーブラ」が

透けてアカリの〔峡谷胸の谷間〕がハッキリ見えた。

ヘソピアスも金と白のストライプで全てお揃いでお洒落だった。

ギリギリ「▽」が見えない程度の短い丈が‥‥

白い編みタイツの美脚を色っぽく際立たせていた。

金色の高さのないヒールを履いてコーデ全体を纏めている。

手には白檀びゃくだんの大きい扇子を持っていた。


その色気に”ふらっ”となる。


『に・に・似合うな‥‥』


その言葉を聞くと照れて”タッタッ”と小走りで‥‥

”ガッ”と抱きつきアカリが「ボイン」で

”むにゅーん”として俺の頭を抱える。


”むにゅーん”と顔に当たる柔らかい感触。

良い匂いでまた気分が昂揚する。

頭にも血が昇り‥‥ 食堂でまた「△テント△」を張る。


『ダー様...ありがとうございます....』


アカリは照れながら”グッ”とりきむ。


”むにゅ────────ん”


ち・窒息する...


なんとかアカリの腕を引き離し‥‥


『す・すまん...アカリ...息が....』


【ダイ】を呪文なしで「ボイン」の【むにゅーん】でかけられる‥‥


『ダー様... 私... 嬉しくてついちからが...』


アカリは照れながら俺を見る。


[私ったら...やりすぎたわ....”うふ”...]

思うアカリだった。


やっとアカリから解放されるが‥‥

パメラとジュリが凄い顔で俺とアカリを睨んでいた。


おいおい...不可抗力────...

今...死にかけたん────...


『待たせてごめん。髪を姉様にやってもらってたから....』


そう言って食堂に急いで入ってきたミーアの装備は‥‥

お揃いの「紺色のレザーセクシーブラ」と

”ピチッ”とした「ハイレグパンツ

首には緑蒼色した宝石の付いた紺色のレザーチョーカー。

緑蒼色した宝石がついた耳ピアスとへそピアス。

きっとセットなのだろう。

緑蒼色の長い髪をツインテールにして後ろで編み込んでいる。

紺色レザーの膝上ガーター仕様のブーツ。

太腿までの黒の柄物の編みタイツがワンポイントだった。

小さな弓と矢筒を背負って‥‥

腰には紺色のレザーバンドに「アイテムボックス」を下げていた。


『どう。ウチの装備...リーダーに‥‥んでもらおうと...』


聞こえないぐらいの小さな声のミーアが照れて綺麗な顔を歪ませる。


顔が大噴火した‥‥


ヤバイ...


目を一度閉じる。


『”す────はぁ────”』 深呼吸して落ち着かせた‥‥


ゆっくり目を開けるとアカリとパメラ‥‥

そしてジュリがテーブルの対面に座って凄い顔をしている。

3人とも「〝苦虫を噛み潰したような顔〟」で俺を睨む。

アリーは〝「可哀想だなの目」〟で俺を見て”カクッ”とテーブルに頬をつける。

ノビはずっとパメラに立ったまま”ポケ────”と見惚れている。

ミーアは俺の横に座って‥‥

周りを気にせず俺の腕を掴んで”ぐいぐい”「超ボイン」に押し当てる。

アカリとジュリそしてパメラは‥‥3人で俺とミーアを睨んだ。


『お待たせいたしました〜〜』


ミリネアは上機嫌で闊歩してくる。


眼鏡を掛けてないな...

「キャリーズ・パミュ」に...

行った時にあったな...

目は最新の...「コンタクト魔道具」を...

つけているのか...


超絶美形の魔性のエルフが凄い格好で歩いて来る‥‥


髪はそのまま”サラサラ”で

揺れるたびに良い香りがここまで香る。

長い耳に金のロザリオピアスが揺れている。

群青色のショート丈のジップUPの

龍鱗皮りゅうりんがわジャケットを着ていた。

両肩の所がシルクの黒のレースで透けて見える。

ジャッケットの前が上下のジッパーで菱形(♢)に開いていた。

付けて無いセクシーNOブラ」に

金のロザリオが付いたネックレスが歩くたびに‥‥

付けて無いセクシーNOブラ」の

大峡谷大きい胸の谷間〕に弾むように大きく左右に揺れる。

その「付けて無いセクシーNOブラ」は‥‥

「私たち双子の小玉スイカなの 今が食べ頃よ」と訴えかける。

ミリネア〔大峡谷〕の存在感を双子でアピールしている。

金のロザリオが揺れるヘソピアスも際立っていた。

腰を”キュッ”と締めた鋲付き黒革ベルト。

ホルスターに「鉄錆色した鞭」が収まって‥‥

「アイテムボックス」と共にぶら下がっていた。

丸い穴が開いた加工がされている‥‥

群青色龍鱗皮の超ミニスカートからは太ももが大胆に見えた。

赤の編みタイツと黒のガーターベルトが見えてハッキリわかる。

歩く度に「黒シルクのレーススキャンティー」が”チラチラ”と。

群青色龍鱗皮が付いた膝までの紐式ブーツを履いているた。


”ドンブラコ”姉さんこと

ミリネアの姿を見て食堂で「△大和式テント△」を張る。


爆発して鼻から”ツ────”と例の赤いものが垂れてくる。


『『『『『『 鼻血!!!!!! 』』』』』』メンバー全員でハモる。


「アイテムボックス」やら「万能巾着」から

メンバーが一斉にハンカチを出す。


『”ぁははは” どう? ゴクトーにゃ...まさに「S級」装備でしょ?』


俺の鼻血を”シュッ”と人差し指で拭い‥‥

悪戯っぽく‥‥


『は・な・じ・あ・じ・み』


ミリネアが俺の血が付いた人差し指を”ペロリ”と舐めた‥‥



”ピ────────────────ン” 




張り詰めるような糸が‥‥ミリネアとの間に結ばれる。


ミリネアの心臓が「”ドクン”」と1度脈打つ。

”サ────”と顔から血の気が引いて────

ミリネアの動きが”ピタッ”と止まる。

いきなり異空間にでも放り込まれたように目の前に広がって──

音もしない目で見る限りの空間に自分の身体が浮いたように漂う。

うっすらと光るみずからの身体だけが‥‥

そこにいることを自覚させている。

空間そのものに剥き出しにされるおのれの身体‥‥

その意識は完全に‥‥

目の前に向かってくる光輝く存在に集中している。

輝きの中からゴクトーの姿がハッキリと浮かんでくる。

生身のゴクトーが”ス────”と‥‥

己の身体に入ってくる不思議な感覚。

身体の自由を奪われ‥‥

抗えずゴクトーに自我を蹂躙されていった。

これまで経験した事の無い感覚に酔いしれ‥‥

鏡に映し出されたように自らの姿を思い浮かべる。

恍惚こうこつの表情を浮かべる自分の姿‥‥

ゴクトーに深層心理の中で‥‥

=絶対的な主従の関係=を自然と築いてしまう。

我は服従‥‥ 服従.... 服従....自らの意志でそれを刷り込んでいく‥‥

それが何とも言い難い幸福感を与え‥‥

己の意思で至福の主従感情が芽生えて大きくなっていった。

心臓がまた「”ドクン”」と1度脈打ち鼓動を続け始める。

ミリネアの顔に”グワァッ────”と血の気が戻る。



俺の心臓がいきなり「”ドクン”」と破裂しそうになる。

異次元の空間にでも────放り出されたような感覚。

音もしない‥‥ 目で見る限りのの空間に漂う。

目の前にうっすらと光る門のような扉が開く。

自らの意識とは真逆に抗えず門に吸い込まれていった‥‥

吸い込まる最中さなか 走馬灯のように

100年以上のミリネアの記憶と意識が脳に刷り込まれていく。

激しい頭痛と嘔吐感にさいなまれ‥‥ 

心臓が1度止まる‥‥ また「”ドクン”」と心臓が鼓動を始める。


”ピ────────────ン”と張り詰めた糸が‥‥

”す────” と溶けていくように消えていった‥‥


俺に従う...? 何故なぜ...? 何が起きた...?


何故か‥‥ 急にミリネアの考えてる事が手に取る様にわかる。

キヌギス砦のゴルバの時と同じ感覚で‥‥

昂っていた気持ちが自然と落ち着いてくる俺だった。


──── ”数秒の出来事” ────


『ミリネア教授!おふざけが過ぎますわよ...』

『ちょっと────!おねーさんやり過ぎ....』

『私もダー様の鼻血を...』

 

パメラが俺の鼻血を拭おうとするが‥‥

苦笑するジュリが鼻血を拭った。

アカリも負けじと俺の鼻血を拭いてくれた。


”ボ───────” っと恍惚の表情を浮かべていたミリネアだった。

対面に座ってる3人はミリネアのその顔を見て超不機嫌になっていく。


『ミリネア姉様‥‥?ミリネア姉様!』

『あ.. あ.. ミーア....』


ミーアが察して強めに声を張る。”パチッ”っと目の瞳孔が元に戻り‥‥

自分が垂らしているあごの”ヨダレ”に気付き右手で拭い去る。


『凄い感覚に襲われたわ....ご主様ととぎを‥‥』

『何を言ってるの!!ミリネア姉様!』


また恍惚の表情で ”ボ────”っとなるミリネアだった。

ミリネアが言ったことにミーアが顔を真っ赤にする。


激しい頭痛と嘔吐感にさいなまれ‥‥

俺は周りの声が全く聞こえなくなっていた。

一点をただ見つめ‥‥

”ボ────”っとミリネアの事を考えて‥‥

そのせいなのか‥‥  鼻血も止まっていた。


『リーダー...リーダー‥‥』

『ゴクどーさん!』


ミーアは「ボイン」に”むにゅーん”と押し当て”ぐいぐい”腕を引っ張り‥‥

ノビに揺すられて‥‥


”ハッ”と我に帰った。


『ミリネアは?...』


ミリネアも”ふっ”と我に帰り‥‥


[[ご主様 何なりと ワタクシに]]


ミリネアの言葉が俺の脳に直接入ってくる。

なんだか普通にミリネアと話してるような‥‥ 不思議な感覚。

勝手に意識が脳に集中して‥‥

反射的にミリネアに答えを返そうと脳が刺激されていた。


=頭の中身=でミリネアと会話をしてみる‥‥  [[ミリネア]]


『ハッ ご主様...』


ミリネアは俺を見てハッキリ応える。


俺を見て‥‥ 

いきなり「ハッ ご主様」と言い出したミリネアに‥‥

まだ揶揄からかっているんだろうと呆れている対面の3人。


これって会話じゃなくって念話なのか?...

初めての感覚... なんだ... これ...

ミリネアの言葉がわかるし...考えてることも...

何だか嬉しさが込み上がってくるな...

そうか... これってミリネアが幸せに思っている感覚だ...

直接...俺にも伝わるからなのか?...


この感覚に意識は引っ張られて‥‥

また”ボ────────”っとしてしまう。


『もう悪ふざけは辞めなさい。ミリネア教授‥‥』


ミリネアがまだ揶揄からかっていると思って‥‥

パメラがたしなめる。


『いいな... ご主様...  わたしがその呼び方したかったなぁ...』


ジュリが寂しそうに”ポツリ”と言った。


『呼び方は人それぞれよね...』


アカリが「〝顔は苦虫〟」で態度はあっけらかんに言った。


『ジュリねぇ気をおとさにゃいの...』 


アリーが立ち上がって駆け寄り‥‥

ジュリの頭を優しく”よしよし”している。

ノビはまだ立ったままだった。


俺は”ボ────────”とメンバーを見ていた‥‥

ミリネアは俺の横に立って‥‥[[ご主様ご命令を]]


”ハッ”と我に帰り‥‥


『全員... 揃ったんだよな... 行こうか...』


食堂を出て受付がある玄関口まで来た。


”ハッ” そうか.... 


気がついて‥‥


『ミリネア... パーティー登録しておくか?...』


[[暫くは普段通りに振舞ってくれ]] ミリネアに念話してみる。

[[ご主様がそのようにと仰るなら]] ミリネアから念話で返ってくる。


『ご主様のパーティーには絶対入りたいです〜 ”あん”.....』


伏せ目で顔を朱くするミリネアは腕をガッチリ掴んで‥‥

例の如く小玉2つの〔大峡谷〕を押し付け勝手に声を出すが‥‥

周りもまだ揶揄からかっているんだろうと相手にしなかった。


パメラにも腕を掴まれ‥‥ 

爆弾ダイナマイト」を押し付けられる。


『ギルドに行きましょ。ゴクちゃん...』  

『先生────俺も────!!』   

『貴様!!この私の腕を‥‥』


俺の腕を掴んで上機嫌のパメラだったがノビに腕を掴まれた。

パメラは朱くなりながらも仕方ない諦めたと言う表情をした。


舗装されて無い砂利道を4人で先頭を歩く。

また俺は顔に血を昇らせながら挟まれて歩いている。

後ろを振り返ると仏頂面ぶっちょうづらのアカリが1人で歩く‥‥

ジュリとアリーとミーアは仲良く3人で手を繋いで歩いていた。

4人では路地を行き交う人々の邪魔になる。


『邪魔になるな....』


俺はパメラとミリネアの腕を剥がして‥‥


『アカリ.... 先導を頼めるか?...』

『かしこまりました。ダー様...』


嬉しそうに小走りで前にくる。

風が吹いて‥‥ 前を歩くアカリのいい匂いが香る‥‥


俺は昂揚する...


腕を剥がされた2人は‥‥ 仕方ないと諦めて後ろを歩いていた。


舗装されたメインストリートに出る。

道幅が広くなり俺は‥‥ また挟まれる。

アカリは「ボイン」を”むにゅ”っっと

ミリネアは「小玉ボイン」を”むにゅにゅにゅ〜〜〜ん”と‥‥

上機嫌の2人は俺の腕を掴んで”ぐいぐい”押し付けてくる。


『貴様〜!邪魔をするなぁ────!!』


パメラが怒鳴る。

ノビが腕を掴んで離さないので‥‥

前に出るのを阻止されて不機嫌なご様子。

見てないが‥‥ 恒例のやり取りをしてるだろう。

行き交う冒険者や商店の人々から‥‥ 凄い注目を浴びた。


装備を着てると〝蛇に睨まれたカエル〟だなとより思った。


”ニタリ”としてしまう俺だった。


ギルド前に到着すると‥‥

2人に挟まれたままでギルドに入った。

メンバーもギルドに”ゾロゾロ”入っていく。

ギルド内がざわつき始める‥‥


『超綺麗だなあのエルフ‥‥』

『あの腕組みされてる「鴉」みたいな‥‥ おいおいテンガロンって‥‥』

『短いなーあのチャイナ‥‥あのボインも堪らねえな....』

『後ろのひょろっとしたのと...大人の色気の.... なんか似合わねえな...』


‥‥‥‥‥‥”ヒソヒソ”と話すギルド内の冒険者達。


”ヒソヒソ”と揶揄やゆされて気に入らなかったのか‥‥


いきなりミリネアが「鉄錆色の鞭」を腰のホルスターから抜いて‥‥

”ビュッ” ”バシ────ン”  床に叩き付けた。


『このっ五月蝿うるさい蠅共ハエども‥‥』‥‥


ギルド内が.................... ”シ────────ン”となる。


『ご主様...参りましょう...』


ミリネアは”ニコ”っとして”ぐいっ”と腕を引っ張る。

俺は呆気あっけに取られてしまった。

横のアカリも負けじと”ぐいぐい”引っ張る。

後ろで一瞬固まっていたが‥‥ メンバー達も普通についてきた。

受付で俺達がダンジョン攻略した時‥‥

応接室に案内してくれた受付嬢が「!!!」────の顔をしている。


「!!!」────顔のその受付嬢に‥‥ 


『パーティー申請を頼む...』 


黒縁で白金プラチナの冒険者カードを渡す。


『ワタクシのも‥‥』


ミリネアも白金のカードを出した。


カードを見た受付嬢はまた「!!!」────の顔をする。


『【ゴッド・スキル】‥‥「S級」のミリネア・ロカベルさんですか...?』

『ええ。ワタクシもこのパーティーに参加させていただくの...』

『かしこまりました‥‥』


このギルドにこんなに「S級」冒険者がいるなんてと思っているのだろう。

受付嬢は「!!!」────の顔のまま‥‥

「登録用魔道端末」に2枚のカードを1枚ずつスキャンさせて‥‥

「登録用魔道端末」に何やら打ち込む受付嬢だった。


‥‥‥‥どうやら終わったようだ。


『「〝リリゴパノア〟」 パーティーに加入されました。こちらを‥‥』


受付嬢は「!!!」────の顔のままで‥‥ 

登録した冒険者カードを渡してくる。


『お主様と同じパーティー!』


ミリネアは黒縁の白金カードを見て喜ぶ。


『ゴクトーさん... カードを‥‥もしかしてこれから例の依頼ですか?』

『ああ... そのつもりだ...』


受付嬢から尋ねられたことに応えて冒険者カードを受け取った。


『どうぞお気を付けて‥‥』


少し落ち着いた様子の受付嬢が普段通りの顔で頭を下げた。


”シ────ン”としてるギルド内をメンバー全員で”ゾロゾロ”出た。

俺はまた挟まれる。

アカリは「ボイン」を”むにゅ”っと

ミリネアは「小玉ボイン」を”むにゅ〜〜〜ん”。

2人はまた俺の腕を掴んで”ぐいぐい”押し付けて歩く。

メインストリートで羨望の眼差しを受けながら路地の方へ‥‥


『すまん... ちょっと腕を離してくれ... ジュリ!!

 どこまで魔法で行けるんだ?...』


後ろで俺を睨むジュリに振り返り聞いてみた。


『この前の崖の上でいいんだよね?』


ジュリが照れながら俺から目を逸らし頬を朱くして‥‥

「キャップ」から出た桃色の髪を”サラッ”と耳に掛けて応えた。


おいおい...ジュリさんや...その仕草は可愛いいんだけども...  

いつも睨むのはやめて...まぁ照れた顔も可愛いいぞ...


 『ああ...』  


”ニタリ”として返事をした。


舗装されてない道の上でジュリが詠唱する。

金の長い杖を振り‥‥


『【アストラル・ゲ────ト!!】』


【白い門】が浮かびジュリが先頭でその門に入っていった。

メンバー全員”ゾロゾロ”入っていく。

転移魔法が初めてなのか‥‥強張るミリネアが俺の腕を掴んで

「小玉」に俺の肘を当てながら‥‥


『"あん" "あん"』


なぜか‥‥俺は平常だ。

ミリネアが〝家族〟のように思えて‥‥

ミリネアに「小玉」の〔大峡谷〕に”ぐいっ”とされても‥‥

顔に血が昇らなくなる。


負けじとミーア・アカリ・パメラが俺の腕を取り合う争奪戦に‥‥

ノビは「〝羨ましいです〟」の顔の顔。 

アリーは”カクッ”と頭を落とした。


争奪戦に勝ったパメラが頬を朱くして‥‥

爆弾ダイナマイト」に押し付け”ぐい”っと引っ張る。


[ゴクちゃん... なんか雰囲気が変わった?.... 気のせいかしら?...]

思うパメラだった。


【”シュ────────ン”】 

 

ハゴネのあの崖に転移されるメンバーだった‥‥



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