海辺の街のエトランゼ

ゐさ

海辺の街のエトランゼ

 波模様揺らぐ光は異国へと

 続く絨毯じゅうたん終わりなき夢


 純真な海辺の街のエトランゼ

 莞爾かんじたる潮騒のさざめき


 朗らかな声吹き抜ける防波堤

 幼き飛行機の滑走路


 木漏れ日きらめく路地裏

 水縹みはなだに染まる尾鰭おひれ揺らめかせ泳ぐ


 ビー玉からんと鳴らして遠眼鏡とおめがね

 覗き込む景色はラムネ色


 シーグラス握りしめ「これくださいな」

「まいどあり」おつりは星の砂


 各々が身を寄せる色とりどりの島

 此処はパラソル共和国


 青錆あおさびのフェンス乗り越え秘密基地

 透明な竜に今日も会いに


 空中に漂う鱗 虹の雨

 ファフロツキーズ 白昼夢にて


 白い砂浜ゴム草履蹴飛ばして

 あしたてんきになあれと唱う


 路面電車の通り風アルメリア

 そよいで海は目と花の先


 また明日 ゆびきりをして駆ける背に

 5時のチャイムとさざなみの音


 カンテラに夕陽閉じ込め手をかざ

 渚が奏でるトロイメライ


 Bluetooth繋いだ貝殻

 聞こえてくるのは古代魚の心音


 仰ぎ見る暮色蒼然ぼしょくそうぜんたる虚空

 死にゆく蝉と視線重ねて


 泡沫 忘れぬように溢す涙

 瑠璃に染まる世界の片隅


 遠く離れたふるさとへ想い馳せ

 瞼閉じ浸る波の調べ


 漁火いさりびをやさしく繋ぐ星の丘

 指を差しては何座かと問う


 海と空とが溶け合って心凪こころな

 青の瞬間 月におやすみ


 沖眺み 鴎の群れと共に行く

 旅立ちの朝 照らす灯台

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海辺の街のエトランゼ ゐさ @b41eine

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