無題

高校生

小学生時代

今から話すことは未だ誰にも話したことの無い、俺と言う人間の本懐だ。


私の人生にとっての友達関係というものは、まさに地獄と言える。

その地獄を作り出しているのは友達ではなく、自分自身だ。

少し昔話をしよう。

自分が小学生だった頃は、自分で言うのもなんだが、優しかった。

親や、俺の小学生時代を知っている友達にもそれはずっと言われていた。

自分の中で何かが変わったのは、中学に上がる頃だと思う。

自分は、後天性の吃音症を患っている。重度ではないが、友達と話す時や緊張する時にたまに出てしまう。

小学生までは特に気にしていなかったが、歳を重ねるにつれて自分の持つ吃音症が憎らしくなり始めた。

ツッコミを入れたい時に限って吃音が出たり、いいパスを出されたのに吃音のせいで声が出ずに笑うことしか出来なかったり、そんなことを吃音症を発症してからずっと経験した。それを人に嗤われることもよくあった。


「俺が舐められなければいいんだ」


自分はそう考えた。自分が嗤われるのは、自分が弱くて、いじめの対象になりやすいからだろう、と。

そこで思った。

「人に自身の弱みを見せることは、俺にとっては自殺に等しい。」

だから俺はクズを演じ始めた。

そうしたらきっと吃音症のいじりだって無くなると思ったから。

それから俺は今に至るまでずっと、仮面を被り続けている。(演じられていたのかは、よく分からないが。)

中学に上がってからは俺はクズなんだと自己暗示をずっとしていた。


「俺はクズなんだ、俺はクズなんだ…」

その言葉が脳の中を百足のように這いずり回り、昔の優しかった自分を取り除こうとした。


ここから、俺の地獄は少しづつ始まっていった。

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