えいみん

中田絵夢

おはよう

俺は、唯一の親友と待ち合わせをしていた。

学校に行ってるのはこいつのお陰じゃないかというくらい、俺は疲弊していた。


そいつは、白いワイシャツに、黒いネクタイと黒いズボン。サイズのでかい上着を羽織り、スマホ片手になにかを聴いていた。

いつもとタイプが違う装いだ。

いつもはもっと、可愛い…かんじの服なのに。





…ふと、スマホを取り出す。

今の時刻は。

午後の4時44分。不吉だな。

逆にこんなラッキー起こるんだ…

って、約束まであと一分。

なんかこのままだと嫌だし…

ニュースでも見て…って。


自殺…ねえ。

なんか、なんだか。

他人事じゃない気がする。


分かんないけど。



「ん?ここだよ…なにスマホ見てるの?」


そう言うこいつこそ、曲を聴いている。


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