第2話 ミミニアリスト魔法学校

 部屋の窓から朝日が差し込んだ。

 外から聞こえるのは、鳥の穏やかな鳴き声よりも、人の活動音。魔力を使ったことになる。発生音のほうがある。

 そんな情景から、私は朝から、魔法都市ミミニアリストに来たと実感した。


 さて、今日から学校だ。私は昨日受け取った制服、念の為支給されたら杖。そして、本命、お気に入りのマイ杖と鞄を持って、家を出た。


*****


 魔法都市の朝は何かと騒がしかった。

 この都市の住人はたいていが魔法使用者のため、朝の通勤通学等で箒に乗って飛んでくる人が沢山いる。そのため、魔法都市の朝は地上より上空の方が騒がしいのだ。


「衝突とかしないよな……」


 混み合っている空を見ると思わず呟いてしまった。


 そんなこんなで魔法都市を歩き、ものの数十分でミミニアリスト魔法学校に到着した。

 昨日、校長から登校したらまず校長室に来てくれ、と言われたため、昨日通った道の通りに校長室へと向かった。


*****


 校長室に着くと、校長室前に何やら胸のでかい可愛い女魔法使いが立っていた。


「待ってましたわ」


 何故にお嬢様言葉?


「私、貴方様の担当教師のアミという者よ。よろしく」

「あ、よろしくお願いします」

「じゃあ、教室に行きましょうか」


 アミという女はそう言って歩き出した。その時、私はまだ戸惑っていた。てっきり少し校長と話してから行くものかと思っていたからだ。


「ところで、校長はどちらへ?」

「ああ、校長はミミアリスト高等魔術師幹部会議会に出席中です」

「何ですか?それ」

「ミミアリストの魔法技術、魔法教育向上のために定期的に開かれる会議のようなものです」

「はぁ」


 そんなものがあるのか。本格的な魔法都市はやはり違うのだな。(田舎者)


*****


 それから、教室へと向かうことになるのであるが……。


「先生……。遠くないですか?」

「ミミニアリスト魔法学校は大きいですからね」


 もう、十分近く歩いている気がする。


「だから、普段生徒は魔法で自らの素早さを上昇させて、素早く移動しているらしいですわよ」

「私たちもそれやりましょうよ」


 私は早速、自らの脚その魔法をかけた。


*****


 そして、間もなく、私たちは教室へと着いた。


「では、入ってから自己紹介してくださいね」

「あ、はい」


 自己紹介か……。やったことないな……。

 どうやるんだろう……。


 私は少し緊張しながら教室に入った。


 教室中にいる生徒の意識が私という存在に注目した。


「あれが例の特待生か……」

「何?あの立派な杖?!」

「すさまじい魔力だ」


 そんな声がちらちらと聞こえた。


(ほら!自己紹介ですわ!)


 アミがそんな風に私に促した。


「あ、えっと…………わ……」


 私は落ち着くがために唾をのんだ。


「わ、我が名はノゾミル!ど田舎の村にて生まれ育った魔術師である者!本日は何故か特待生の通知が来たため、馬車に揺られ、ここまで来た者!」


 私はこのすばの紅魔族風の自己紹介を披露した。


 アレ……。どうしたのですか?そんなに引いて。


 結果、私は学校内にて浮いた。


*****


 そして、そこから数時間後、私は何故か謎の組織にとある場所に連れていかれた。

 その彼ら曰く、「これはただの勧誘」とのことだ。


「勧誘とな?」

「そう、この魔法学校は規模が多いから、部活、サークルの活動も活発的なんだよ」

「それで、ここも一種のサークルなんですか?」

「ああ、その名も『エロゲ開発部』だ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る