ある少女へ

秋桜みりや

ある少女へ

夏雲へ一角獣の足の跡


行き先は壁ばかり熱帯魚揺る


短夜のアリア志望理由白紙


泣きっ面に雨連休前は夏至


窓に驟雨流星群の爪跡


噴水やふせんだらけの夢ノート


紙切れの相対性理論盛夏


帆船に飛び乗る虹のはじまりへ


夕暮れのピカソ付近はなお炎暑


旱星モナリザの微笑み微か


夏服の袖近づけて縁とする


下書きはカルデラ湖底晩夏光


揚羽蝶少女の独白を明日へ


進化論続き新たに夏の朝


香水をひとふり大人へのひかり


空白を埋める手花火あと僅か


返答はアヴェマリアなり星月夜


砂浜の約束南風と海へ


陽炎の隙間未来日記序章


空想になりたき少女夕の虹


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ある少女へ 秋桜みりや @mrycs0219

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画