後悔させて転生したので後悔しないように生きたいと思います

春桜

始まりの話

燃える建物を眺めながら思った。

・・あぁ・・これが、残された者の気持ちか・・・




何でもない休日に親子で昼食を取る為に店をスマホで探す。

「和食にしようか・・・いや洋食もありだよな・・・」

「朝は、パンだったから和食が良くない?」

父親と母親がスマホ見ながら意見交換してる姿を後ろから見ていた。


「ねぇ、お兄ちゃんは、何食べたい?」

「う~ん・・・うどんかそばがいいかな・・出来れば、おにぎりかいなり寿司が美味しい店がいいな。」

「何かおじいちゃんみたいな感想だね。」

失礼な・・・まだ21の俺におじいちゃんみたいって・・・

いや妹は、まだ12歳だからおじいちゃんと言われても仕方ないか・・・悲しい・・


そんなことを思っていると

「店決まったぞ」

と父親が宣言してきた。


店の名前を聞いた感じだと和食みたいだ。

母親が言うには、最後の決め手は、

近くだからここに決めたと言ってきた。

単純な理由だが、特に反論することはない。


5分ぐらい歩いているとこの辺だと言われたので周囲を探す。

説明を聞く感じだとビルの3階にあるから看板で探すしかないみたいだ。


周囲を見るが解らない・・・と言うか見えない・・・

理由は眼鏡を掛けてないからだ。

言い訳するなら、深夜にアニメがあるのが悪い!

え?早く探せ?妹よ、お腹空いてるのは解るが足を蹴るのは辞めてもらっていいですか?


別に全く見えない訳ではない近くなら見える。

ただ30~40cmぐらいの近くならね。

そんなこと思いながらぼやける眼で周囲を探す。


「あ、あれじゃない?あれだよ!」

声がする方を見ると妹が反対車線を指で刺していた。

うん、見えない・・・解っていたが

そんなことを思っていたら自転車が妹と俺の間を通っていった。


危ないなと思っていると自転車で見えなかった前方の風景が見えてきた。

あれ?妹がいない?

下に視線を動かすと妹が車線に倒れていた。


危ないと思った時には体が動いていた。

全力で走って妹を抱えるが音が右から聞こえた。

このまま反転していたら当たるなと思って、全力で前に進んだ。

すると左から音がする。

このままだと一緒に当たると思った。


はぁ・・これって1か2の違いかと思って妹を歩道に投げた。

投げて1・2秒後に強い衝撃が来た。

視界がグルグル回る・・・ゆっくり回る・・・

そして、止まった・・・空綺麗だなと思っていると悲鳴聞こえる・・・

無事か確かめたいが朝方まで起きていたから眠い・・・・

頑張ったから寝ても怒られないさ・・・おやすみ・・・



目を覚ますと木造の天井だった。

おいおい、妹を助けたのにどこかの凄腕の闇医者に手当されたか?

普通は真っ白な天井で美人や可愛い看護師いるのが理想だろ?


そんな理想を考えながら体を起こそうとするが力が入らない・・・

と言うか上手く動かない・・・

何だ?と思って手を上げて視界に入れると俺の記憶より5分1しかない。

えっとナニコレ?と思っていると声が聞こえた。



「おはよう、アレク」

声の主が俺の視界に入る。

えっと明るい茶の髪で、それなりに長い

目の色は、青いに近い

客観的に見ても美人だ・・・

いやそうじゃない・・・誰!


「起きたか、我が息子よ」

おぉ!我が父よ!この現状を教えてくれよ!

視界に父が・・・え?誰?

髪の色は白で短髪だ

目の色は、緑

いや・・・誰?


待て待て、俺の両親は黒髪で目の色は黒だ。

えっと間違えてませんか?

と思っていると


「はい、ご飯よ」

と女性が俺の口に胸を当ててきた・・・

え?なにこれ?

「あら、全然吸わないわね」

え?吸えばいいの?

頂きます。

確かに何かが口に入ってくる・・・


そこで気づいた。

あぁ・・・俺は赤ちゃんなってると・・・

うん、夢だなと思ってとりあいず吸って寝ることにした。




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