王立ヴァルキュリア魔法高等学校 対魔獣専門学部
☆くらっしー☆
第1話 入学式
僕の名前は“泊真一”。
皆からは、トマリンって呼ばれてる。何も変哲もない僕だけど、中学時代には必死で勉強したかいもあって、“王立ヴァルキュリア魔法高等学校”に入学することが出来た。
これから僕も魔導士になれると思うと、ワクワクが止まらない。明日の入学式はどんな人達がいるのか楽しみだなぁ。
------入学式当日-------
(会場アナウンス)
「皆さん本日は、ここ王立ヴァルキュリア魔法高等学校へのご入学おめでとうございます!!新入生の方は、事前配布された入学案内に書かれてるクラスに行っちゃってください~
わからない事があれば、その辺にいる先輩っぽい人に聞けば、多分答えてくれますよ~」
「なんか、凄いアバウトなアナウンスだなぁ。僕のクラスは対魔獣専門学部か。クラスB3-2の教室はこの第3棟の2階の・・・」
ドンッ
「ちょっと痛いわね。どこ見て歩いてんのよ。このクソ短髪ノーマル特徴なし馬鹿男ッ!」
見上げた先には、赤髪ツインテールの美少女が僕を睨んでいる。
「ごっごめんなさい!入学案内を見てて・・・ただ、初対面にしては言い過ぎな気が・・・」
「うっさいわね!入学式じゃなかったら、あんたなんか破滅魔法“ディスティルージョン”でとっくに木っ端微塵にしてるところだわ。今日という日に感謝しなさい。」
「ひぇぇ・・なんて恐ろしくてバイオレンスな女のコなんだ・・・」(小声)
「ん??なんか言った!?」
「いえ!!!僕は何もいってません!!!」
「ふんっ!わかったのなら、私の視界から消えなさい。私のレッドアイは視野角120°まで見えるから後方4時~8時の方向にちゃんと消えてね~」
ダッダッダッ (トマリンの走る音)
「ったく初っ端から散々な目にあったなぁ・・・ほんと先が思いやられるよぉ。トホホ」
そんなこんなで、B3-2クラスまでたどり着いた。
「おおお~待ちにまった学園生活最初の一歩目だ~これから僕はあらゆる苦悩を乗り越え、1魔導士としてのスキルをあげていき、世界の平和を守っていくんだろうな~ハハハ何ちゃって(笑)」
ウキウキした気分で僕は、教室のドアを開けた。
「みんな、よろし・・・く・・・?」
ドアを開けた僕が見たものは、想像と180°違うものだった。
大鎌を持った目つきの悪い大柄の男、魔獣と混血の男、半分が機械で出来たサイボーグ女など、今にも戦争がはじまりそうな異様な雰囲気が漂っていた。
「なんだお前?こんなひ弱そうな奴が対魔獣特化のうちに入学してんのか?うーん、どうみても近接戦闘タイプでは無さそうだな。ってことは魔法使い側の奴って感じか・・・」
如何にも近接戦闘タイプの筋肉ムキムキなスキンヘッド男が話しかけてきた。
「人は見かけに寄りませんからね。彼もここに入学できたってことは、恐らく何かしらの魔法は使えるんだと思いますよ。僕の見立てでは、魔法剣や魔法銃の創成魔法系っぽくは無いから、召喚魔法、あるいはオーソドックスに物質系魔法や遠距離特化の光線魔法ってとこですかね。」
明らかに分析が上手そうな、眼鏡インテリイケメンが勝手に返答をする。
(なんか凄い分析してるみたいだけど、僕はまだ何の魔法も使えないんだけどなぁ・・・)
「まぁ試してみればわかることだよなぁ」
「僕も同意見です。まずは自陣の戦闘能力の把握から進めるは戦闘のセオリーですからね。遅かれ早かれ知る事にはなるんでしょうし、初日から確かめるのは名案かと」
眼鏡インテリイケメンがそう言うと、スキンヘッドの男が持っていた大剣を僕に振りかぶってきた。
「悪く思うなよ?これも今後のためさ」
「うわぁぁぁぁ」
シュキン!!
情けない僕の声と、同時に剣が交わる音が響いた。
僕の目の前には教室の奥の方で座っていた短髪黒髪の男が居た。
スキンヘッドの男の2mはあろうかという大剣を、それほど大きくない1mほどの剣で受け止めていた。
「てってめぇ。なんの真似だ?」
スキンヘッドの男が呟く。
「お前、見た目ほど力はねーのな。」
「ほざけ!押し潰してやんよ!剣技開放"剛鉄斬"」
ズンッ
スキンヘッドの男が大剣が、じわりじわりと短髪黒髪の男に迫る。
「悪く思うなよ・・・剣技開放"閃流刃"」
その瞬間、短髪黒髪の男は剣から流線型の光が発し、大剣を押し返すと同時に、スキンヘッドの男を吹き飛ばした。
「くっそ何しやがる」
スキンヘッドの男は倒れ込み、意識を失った。
「ようお前、怪我はないか?」
「あ、ありがとう。あんな大剣を軽々と受け止めて吹き飛ばすなんて、君すごく強いんだね!」
「いや、あいつが弱すぎただけだ。下級種族のダブゴブリン以上でデルタコオロギ以下の力だった」
(いや、そんな固有名詞言われてもピンとこないんだけども・・・)
「ぼっ僕は泊真一。言いやすいと思うからトマリンって呼んで!ちなみに君の名前は?」
「俺の名前は、“アイオン・シュタッド”」
「アイオン君ね!よろしくね!」
「あぁよろしく真一」
「いやトマリンて言わないのね・・・(笑)」
こうして、僕の王立ヴァルキュリア魔法高等学校での学園生活は始まった。
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