7/12 金
今日は6時間45分授業の部活あり時程。ちょっとだけ変則的な時程でした。
今週は後輩くんが給食当番なので、給食準備時間は勿論、お昼休みにもなかなか会えません。加えて最近雨続きで部活の日数も少ないので、ますます後輩くんに会える時間が少ないです。私としてはかなり憂鬱な1週間でした。
今日のお昼休み、給食当番を頑張る後輩くんをランチルームの外でうろうろしながら待っていました。すると、一年生の私の妹が来て一緒に喋っていました。私は彼女を「しおしお」と呼んでいます。
私たちは他の姉妹に比べて仲が良いらしく、喧嘩はあまりしません。学校でも出会ったら私が飛びつくような感じで、私たち自身も仲が良いとは自覚しています。珍しんでしょうかね。
そんなこんなで妹とラブラブしていると、給食当番を終えた後輩くんが出てきます。すぐに彼の姿を視認した妹は、「じゃ、私帰るから」と言ってそそくさと教室へ上がっていきました。
ただ代わりに、同じ部活の一年生女子たちが寄ってきて、囲まれてしまいます。その中の一人、陸上部のおてんば娘「しほ」が私に抱き着いてきてくれました。嬉しいことに、私は後輩から好かれているようです。いい部長ができていてよかった。
「ふふーん!いいでしょ!」
しほが後輩くんに向かってそう言うと、後輩くんはむっと目を細めました。
「お前さあ…」
呆れたようなため息とともに、後輩くんはしほにそう言いました。きいちゃんもそうなのですが、私の周りの友達みんなこれするんですよね。その度に後輩くんがむっとした顔をします。
しょーがないから、うちは帰っといてあげる!、そんな感じの台詞を残して、しほ軍団は教室へ上がっていきました。丁度その時チャイムが鳴り、掃除の時間がスタートします。ああ、またあんまり話せなかったな。
そう思いながら「じゃあね」とハイタッチ待ちの両手を広げると、後輩くんはゆっくりその手に指を絡めます。それ好きだなあ、と思いつつ手を離そうとすると、腕が動きませんでした。
両手をぎゅっと握ったまま、行かないで、というように少し俯いています。どうしたの?と私が聞くと、なんでもない、と言って、手を離してくれました。
廊下の角を曲がって、後輩くんの姿が見えなくなった時。私は思わず火照った頬を緩ませてしまいました。本当に「行かないで」と思ってくれていたんでしょうか。わずかな期待に胸がふくらんだ1日でした。
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