6/25 火

明日は期末テスト。そんな憂鬱な気持ちで朝学校に行き、いつも通り授業を受けました。昨日夜更かしして勉強をしたせいで、五時限目の理科の授業は意識が朦朧としていました。睡魔と戦うことおよそ十分。私はようやく意識を覚醒させて、普通に授業を受けることができました。危なかった。


私と同じクラスに、私と同じ陸上部に所属する友人がいます。私が陸上部部長並びに短距離キャプテンで、その友人は副部長に長距離キャプテンという特殊な立場。部活のお偉い同士で、割と仲が良いです。

私はよくその友人のことを、名前をもじって「しも」と呼び、その友人…彼は私のことを「部長」と呼びます。言い忘れていましたが、男友達です。


眠たい理科の授業や終わりのSHRを終え、期末テスト前の学習会の時間。彼は私の隣の席にいつもやってきて、「国語教えてや」と言います。今日も勿論同じようにやってきました。

「しもー、理科ちょっと教えてくれん?」

隣にやってきたのをいいことに、私は彼に苦手な教科の教えを請いました。

「え、部長…こんなのもできないんですか?」

にやにや笑いながらそう煽る彼。私は、できないから聞いてんじゃーんと答えます。彼は優しいので、そういうなり分かった分かったと教えてくれました。

その後数人の男友達もやってきて、私に理科を教えてくれました。お陰で明日のテストは割と戦えそうです。

「しも、ありがと」

私がそう言って手を振ると、彼は爽やかに笑って手を振り返してくれました。感謝の言葉っていいな、と改めて思った今日この頃です。

煽りスキルの高い彼は、よく私を煽ってきます。しかし、そこはさておき彼との関係はそう悪くないものだなといつも思います。

煽ったり煽られたり、本気でぶつかったりできる相手はやっぱり、捨て置けないですよね。

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