きっと僕達は -呪いで世界を救います-

どぅぬら

旅編

第1話 見えない場所でも待っている

???「ムラサキリンゴの種を巻き、大きくな〜れと

おまじない♪まだかまだかと見つめてた〜♪」


主人公「んぅ〜母さん辞めてくれよ〜俺はもう18なんだよ〜zzz」


眠たい。このままずっと寝ていたい。

母さんが膝枕をしてくれている。懐かしい感じだ。

母さんの太ももはガチガチに硬くて痛い。何故だ。

まぁ、そんな事はどうでもいい。眠たい。眠たいんだ。


???「育ったりんごの収穫だ。沢山集めてぼろ儲け〜♪

金貨は全部メフィル様♪貴方に全てを捧げましょう〜♪」




ん。



???「カルマとメフィルは婚約だ♪盗んだ種でぼろ儲け♪

ハッピーエンドはすぐそこか〜♪」




俺はとてつもなく嫌な予感がしたので目を閉じながら、

母さん?の太ももを触ってみた。



???「おめぇ何してんだ気持ち悪いやつだなぁ!」



硬い。硬すぎる。鉄みたいに硬い。

母さんはとんでもなく鍛えてたんだな。

そうだ。そうに違いない。

そうしておれは目を開けずまた眠ることにした。



???「おいもう起きろ!これからやることが沢山あるんだぞ!この盗人ドブネズミが!」


母さん。口が悪い。流石にムカついたので言い返すことにした。



主人公「母さんそれは言い過ぎだろ〜。俺だってちゃんと働...いて....え...あ...え..」


開いた口がふさがらない。

俺を膝枕していたのは、黒い鎧を身につけた誰かだった。

グレートヘルムを装着しておりどういう顔なのかも見えない。

震えが止まらず汗も沢山出てきた。



黒い鎧「随分と寝てたじゃねえか!15分と48秒くらいか〜?ロス!ロス!ロス!うおー!

そして俺はとんでーもなくビックリするくらい怒ってる!どれくらい怒ってるかと言うとこんくらい!こんくらいだぞ!」


ああ。終わりなのか。恐らく今から残酷な拷問に会い

奴隷として売られ、貴族の犬として俺は生きていくのだ。

もう諦めよう。

あー。でも何をしてこうなったのか記憶が無い。今この状況のせいで何もかぐちゃぐちゃになっているのであろう。

考えるのはやめよう。とんでもないことをしたに違いない。

だが。もしかしたら謝ったら許してくれるかも。

無理だとは思うが一応言ってみる価値はある。

俺は恐る恐る鎧の何かに話しかけた。



主人公「す、すいません!俺何したか分からないんですけどほんとにすいません!掃除とか武器の手入れとか何でもするんで許してください!」


恐怖を抑えながらおれは鎧の人に謝罪をした。



黒い鎧「そうか。そう言えばメフィル様が、

記憶は元の世界に戻るまで戻らないって言ってたな。」



どういう事だ?元の世界ってことは今別の世界にいるのか?


鎧の人に集中しすぎて見えていなかったが、

よく見たらここはどこなんだ?

家具が置いてあり女性の写真や人形などが置いてある。

そして何より驚いたのが景観だ。

この人。おそらくとんでもなく変態だ。

後ろの方もゆっくり見ると白い馬が寝ていた。

黒の鎧に白い馬?俺には理解が追いつかない。



主人公「あ、あのここはどこなんですかね?

僕はこれからどうなるんですかね?」



黒い鎧「おおっとトロイム!話はまだ終わってないぜ!

お前。この首飾りを見てなんと言ったか覚えてるか?」



全く見覚えがない。元の世界で何かをやらかしたのか?

彼の話をちゃんと聞き説明しないと、こっちの話は聞いてくれ無さそうだ。正直に言おう。


主人公「す、すいません。見覚えもないです。」



黒い鎧「あ!なるほどですね〜!............................!!!

これは天界の女神メフィル様が、この俺!偉大なる黒騎士・カルマに授けた

超絶カッコよくて!

とてつもなく素敵♡で!

とてつもなくかっこいい首飾りなんだぞぉぉ!!!」


彼はあまり賢くはないようだ。


カルマ「それをお前は!この首飾りを見た瞬間!

うぅぅ!ぅ!

流石にダサいから、旅の資金にしよう!だぁぁとぉぉ!」


全く記憶が無いが、この怒り方からして間違いなく言ったのだろう。とりあえず謝って女神メフィル?のこと褒めたら許してくれそうな気もする。


主人公「ほ!本当にもう」



カルマ「人が大事にしてたものバカにしやがって!

洞窟にあったからって誰のものでもねぇじゃねぇんだからな!お前みたいなやつゴニョゴニョゴニョゴニョ」


30分後



カルマ「これでお前が何をしでかしたかわかったな!

これからはメフィル様を崇拝する事だ!

お前みたいな哀れなトロイムにも優しく接してくれる

女神様に感謝せぇ!ハァ...ハァ...」


長かった。とても長かった。

だが話を聞いて分かったことがある。

どうやら俺の名前はトロイムと言うらしい。

ずっとそう呼ばれている。

あとこの世界は黒騎士カルマが、メフィルの力を借りて

創り上げた異空間らしい。この異空間は俺とカルマと

後ろにいた馬しか居ないようだ。今のところはこれくらいか。


トロイム「いやぁ!メフィル様の美しさ!

そしてこの首飾りのカッコよさと美しさに気づかず

たいへん無礼な事をしてしまいました...

そして何よりカルマ様のその輝いた鎧!

かっこよすぎます!くぅ〜!前が見えない!」



カルマ「そうだろぉ!そうだろぉ!ケケケ!ケケケ!」


彼は天界が何とかと言っていたがおそらく悪魔である。

笑い方。黒の鎧。発言。全てが悪魔である。

悪魔が女神に恋をして妄想に浸っているだけなのであろう。

とてつもなくヤバいところに飛ばされたものだ。


トロイム「あ、あのぉ〜僕を元の世界に戻してもらうことは可能でしょうか?」


一刻も早く戻りたい。前いた世界の記憶は一切ないが、

あまりにもキツすぎる。記憶なくていいからもどしてくれ〜。



カルマ「それはダメな話だ」


え?


カルマ「お前は異なる世界のお前を助けるのだ。」


は、はい?


カルマ「そして異なる世界を共に救え。

そしたらお前が死んだ10秒前くらいに戻してやるよ

まぁ戻してやるのは俺じゃないんだけど...」


え!え!俺死んだの?俺死んじゃってるの!?

異世界とか耳に入んないよ!?

俺は焦った。焦りまくった。


トロイム「お、お、俺って前の世界で死んでるんですか!?

俺どういう理由で死んだんですか!?」


カルマ「理由とかはいえなくてなすまん。

ただ盗賊に殺されてたぞ。」


その首飾りは元は盗賊のものだったって言うのか?

まぁ。おそらく盗賊の首飾りを盗んで盗賊にバレて死んだのだろう。うん。間違いなく俺が悪い。


トロイム「は、はは。まぁ話は理解出来てないけど

なんで異世界の俺を助けに行くんですか?

話の内容が上手く入ってこないです...」


カルマ「あー。今はまだ話せないことが沢山あるんだが、

このままだと。異世界のお前はどうやら死ぬらしい。」


なるほど。色々ありすぎて驚かない。


トロイム「なるほど。でも俺なんかで大丈夫なんですか?

俺盗賊にやられるくらい弱いみたいですけど...」


カルマ「ああ!それなら大丈夫さ!

俺の体貸してやるよぉ!」


おお!それなら行ける気がしてきた!

ただ..


トロイム「あ、あの質問が多くて申し訳ないのですが、

仮に救って戻ったとしても、俺またすぐに山賊にやられるんじゃないですか?それだとちょっと...

それに異世界で万が一死んだらどうなるんですか?」


カルマ「おまえ質問の多いやつだな!」


あ。はい。


カルマ「お前は異世界で倒した敵の経験値は

自分の世界に持って帰れる。つまり山賊より強くなったら良いってことよ!」


なるほど!なら俺は敵を倒せば倒すほど強くなるってことか!


カルマ「異世界でも死んだら魂すら無くなるから

お前は死んだら転生することすら出来なくなるぜ!土になりな!って感じぃ!」


ああ。そういう感じね。嫌すぎる。

まぁ、転生出来るならしたいけど。

これは俺が世界を救う。感じになるのかな?

面白そうだ。


トロイム「分かりました!カルマ様!

俺、異世界でもう1人の俺を救い、自分の世界に戻ったら

天界の女神・メフィル様の名といままでの行いを

世界に広めようと思います!」


カルマ「うむ。よくぞもうした!よくぞもうしてくれたぞ!ケケケ!ケケケ!ケケケ!

今日から俺とお前は友だ!呼び捨てでも良いぞ!

ではそろそろ行くぞ!

んんん〜!ヌワッチ!」


なんと。ポータルらしきものが出てきた。


カルマ「では手を貸せ少年。

そう言えば名前も覚えておらぬのであったな。

お主の名前はアダム・ブライトだ。」


トロイムってなんだよ..


アダム「ああ!よろしくな!カルマ!」


俺はカルマに手を貸した。

世界がぐるぐる回る。

気づいたら俺は鎧の中に入っていた。


アダム「うおぉ!かっけぇ!あのポータルに入ればいいんだよな!」


カルマ「そうだ。おそらく異世界に飛べば

近くにもう1人のお前がいるはずだ。

あと自分の事はばらすな。俺の名を使って動け。良いな。」


それ聞いてなかったら普通にばらす所だったな。


アダム「わかった!よし行くか!」


俺は馬の方に行こうとした。


カルマ「待て!その馬は乗れない!凶暴なんだ。」


いや。えぇ。凶暴って。馬居ないなら騎士じゃないじゃんもう...


アダム「まぁ!いっか!行こう!」


ポータルに入った。こうして俺は第二の人生。

第二の体で自分を救い元の世界に戻るために旅をすることになる。

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