わたしとねこ

怪人X

わたしとねこ

わたしとねこ



真っ白で細くて震えて子犬みたい だけどあなたは猫なんだって



家へ向かう車内に響く細い声 ダンボールから何度も出る手



縮こまり不安げに鳴くあなたの声 ここはあなたの家になったよ



知らずにいた猫が結構繊細と わたしの知識はあなたがすべて



生きるためごはんを食べてよく眠る それだけのことがとても愛しい



ただいまと何度も言ううち慣れてきた わたしの膝があなたの定位置



お腹見せぷうぷう鳴らして寝る姿 カメラを向けるとなぜか開く目



キラキラと宝石みたいに綺麗な目 毛がついてるが痛くないのか



落下した音にびくりと体を揺らす わたし以上にあなたが驚く



どこ行ったいつも突然行方不明 足音消していつもすぐ側



ゴロゴロと撫でさせてくれる上機嫌 そして一瞬でパンチに変わる



夜中でも知らぬ構わぬ関係ない わたしの体も迷わず踏み台



ふと覚める穏やかな夜の枕元 あたたかいのはあなたの温度



根ざしてるあなたが側にいる生活 好きなおもちゃもおやつもわかるよ



食欲は多い方ではなかったね 体も小さく軽くて柔い



ニャアじゃない人間みたいな咳をした なんでもなかったように振る舞い



『覚悟して』そんなことを言われても 浮かぶ姿は幸せばかりで



治療するあなたに会いに通う日々 ただいまと言う家は暗くて



懸命に生きているのだと鼓舞をする 明るい言葉に縋るように



あなたとの尊い時間はそのままに 毛皮はまだ変えずにいてね



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わたしとねこ 怪人X @aoisora_mizunoiro

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