閑話 お正月といえば
とある日。
家の中はいつもと少し違う飾り付けになり、あることを祝っていた。
「明けましておめでとう!」
『おめでとう!!』
そう、正月である。
この世界にも新年を祝う文化はある。
祝う文化はあるが、明けましておめでとうという言葉はカイとリーセスが教えたものである。
「こっちに呼んでくれてありがとな」
そう言うレクスにはわけがある。
実は、王城では、毎年新年の集まりがあり、様々な貴族との顔合わせをしなけれべならなかった。
本来、王子は参加しなくても良いのだが、王城にいると、結局すれ違う貴族に声をかけられ面倒だったそうだ。
今まではそれの逃げ場がなかったため我慢していたそうだが、都合の良い場所が出来たため避難してきたらしい。
・・・・・・これが目当てでこの家を僕に・・・?
だとしたら相当嫌だったんだろうなということが想像出来る。
それにちゃっかりローゼさんもついてきてるし。
まあ、ローゼさんも次期王妃なわけだし、避難しないと声をかけられるのかな?
◆
そんなこんなで始まったお正月だが、例のごとくインベンントリがあることを良いことに大量のおせちがテーブルいっぱいに並んでいた。
インベントリがあるおかげで、大晦日周辺でよくする大掃除は簡単に済ませることが出来たためおせちを作る時間は十分すぎるほどあった。
それこそ来年分もあるかも・・・・・・
◆
「なあ、あれやらんのか?」
少ししてリーセスから声をかけられた。
「あれ?」
「正月と言えばあれやろ」
だから、あれって何だよ!
僕が分かってないのに気付いたらしくやっと答えを言ってくれる。
「お正月といったらやっぱり歌合戦やろ」
何かを配慮したらしく紅とか白とかは言わなかった。
そして、僕が思うにそれは正月というよりも大晦日だと思うのだが・・・・・・
それはともかくとしてそれをするにはこの世界の歌を覚えなければ、結局評価出来ないだろう。
大晦日だと思うというところは省いて出来ない理由を話す。
「ほな、無理やな~」
ん?これ、誰かのネタの流れになっていきそうな気が・・・・・・
「ただ、皆が同じ曲を歌えば相対評価が出来る」
「ほな、やろや」
「でも、そんな歌合戦面白くないと思わない?」
「そら無理やな~、何回同じ歌聞かんといけんなるんやちゅう話や」
「開催すればマイやレイの歌声を聞くことが出来る」
「ほな、何が何でもやらんといけんな」
◆
何回かのやり取りがあったが、結局開催することはなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます