第190話

それ以降仲を深めながら学校生活を送っていきあっという間に一週間が過ぎた。

帰ることになりサテュロスさんに挨拶に来ている。

「何から何までありがとね。どうやら海底の死神信仰がこちらで魔化が発生してたみたいであれ以降魔化した獣人はいないようだよ」

「それは良かったです」

「それと活躍してくれたから有益な情報をあげよう」

精霊王の姿にしては珍しく真面目な声となる。

「魔族の大陸の魔王が代替わりして人間に、いや他の全種族に敵対する意思を持っている。まだ、変わったばかりでごたついているだろうからすぐには動けないだろうけど数年すれば戦争に乗り出してくるかもね。それだけならまだ良かったんだけど、その新しく魔王になった魔族が何故魔王になれたのかというところに問題がある」

「前の魔王よりも強いとか?」

「それならまだマシだったよ・・・・・・どうやら小さき天使を復活させたらしい」

「え!?」

思わず声を出してしまう。

「君が知る小さき天使の片割れのことだろう。先代から聞いたんだけどその当時あの大陸の人間が魔族に変えられた日の魔力はここからでも感じ取れたらしいんだよね。いくら小さき天使とはいえそんな魔力を使って体が持つわけない。つまり、新しい魔王もしくは復活したという小さき天使のどちらか、もしくはどちらともが強敵の可能性がある」

『・・・・・・・・・』

流石に皆暗い表情だ。

「まあ、まだ先の話だし、結局魔族がまとまらなくて魔王が即変わる可能性も高いからそんな暗い顔はしなくて良いよ。ただ、準備をしておくに越したことはないってだけだよ」

準備、か・・・・・・

僕に出来ることといえばあれを完全に習得すること。そして、あれも一応作っておこうかな。

正直どちらも気は進まないがちょっとずつやっていこう。

「帰り際にする話じゃなかったかな。でも、もしもがあるからね」

そういえば何でそんな情報をと思い聞いてみると、

「僕は精霊王だよ。各地にいる精霊から情報を集めるなんて簡単なのさ」

なるほど。今さらかもしれないけど精霊王って結構チートしてない?

まあ、敵ではないから別に良いか。

そんなことを考えていると帰る流れになり、ミリアが引く馬車に乗り込むのだった。

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