第189話
その後、時間終了の合図が聞こえて来るのはすぐ後であった。
その合図もあってか僕達二人が森の入り口に着く頃には皆集まっていた。
「うまくいったか?」
レクスが僕達が二人で帰ってきているのを見てマイそう問いかける。
「はい」
やはり、結構上機嫌なマイの声がそう答える。
その答えに全員が歓喜の声をあげる。
そんな中レクスだけが僕に寄ってきて一言。
「婚約者にしてやられたな」
ニヤニヤ顔でそう言ってくるレクスになんというか言い返したくなった。
「卑怯な手を使いやがって」
「何のことだ?」
絶対わかってて言ってやがる。
「初めのやつだよ」
「持ってる手札を有効に使ったまでだ」
なんだよ、なんかすごい出来る人みたいなこと言いやがって。
しかし、その通りなので言い返せない。
◆
少し経ち歓喜の声も落ち着いてくる。その頃には皆の仲も深まっていた。
この森での授業という名の鬼ごっこは終わり学校へと帰ってくる。
学校に帰ってからは主に魔法の授業が続いた。
普段は免除されているため新鮮に授業を受けることができた。
そして、昼休みへと移る。
一応目の前でインベントリから物を取り出すのはやめた方が良さそうなのでフェイクで持ってきている鞄の中に手を入れてそこでインベントリから弁当を取り出す。
今日は皆で食べるという話になり、教室の中の11個の席を全て付けてそれぞれが座ることになるのだが、必然的に一つの席が主役の席の様になっている。
その席に僕が座ることが自然に決まった。なんか皆に押し付けられた。
もちろん僕も抵抗したが負けたやつに席を選ぶ権利はないらしくそのまま諦めて座ることにした。
救いはマイがすぐ近くの席に座ってくれたことだろうか。
活躍した順に席を決めていたため僕を直接捕まえたマイがいち早く決めることが出来たのだ。
と言っても僕の席は一番早く決まっていたのだが。
その他の席順は結構バラバラになっていたがやはりリーセスとレイは隣に座っていた。
雑談などを交えながら時間は過ぎていき昼休みは終わりを迎え午後の授業が始まっていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます