閑話 ハロウィン2

目に入った光景に息を飲むカイとリーセス。

それぞれがそれぞれの彼女を見た反応は正しくそれであった。

「どう・・・?」

マイが一言そう言って一回転する。

隣のレイもそれにならい一回転。

「「か、可愛い」」

二人の声が揃う。

息ぴったりなカイとリーセスであった。


「私たちの除け者感が凄いな」

「流石にあの中には入れないな」

レクスとノインもある意味息ぴったりで除け者になっていた。



その後、家の中でパーティーが始まった。

料理は前々から準備して、インベントリに入れていたため準備は万全。

家の外に出るという案もあったが、そもそも仮装という概念がないため不審人物と思われる可能性が非常に高いため辞めることにした。

不審者扱いされなくても変な目で見られることは確かなため外には行きたくない。

リーセスはとても残念そうにしていたが、ここは諦めてもらった。

無駄に広いリビングのテーブルにズラリと並べられた料理の数には皆も驚いていた。

何日も前から少しずつ作っていたため相当な量がある。

しかし、

「この人数にこの数、食べきれるのか?」

レクスのその声にこの場の全員が固まる。

「・・・・・・まあ、余ったら皆で持ち帰るってことで」

最悪インベントリに入れてしまえばどんなに残ろうといつかは食べきることが出来る。

「もう、始めようや。いくで、せーの!」

「「ハッピー・・・」」

僕とリーセスしか言っていないことに同時に気づき止まった。

「そういや皆に教えてなかったわ」

そう、この世界にはハロウィンという文化がない。

教えていないのに言えるはずがない。


皆に教えてから仕切り直し、もう一度リーセスが音頭をとる。

「せーの!」

『ハッピーハロウィン!!』

こうして各々自由に食事をとったり誰かと話すなどした。

結局丸々一日使ったそうで帰る頃には皆満腹と疲れで眠気が襲ってきておりウトウトしながら着替え結局カイの家の有り余っている部屋にそれぞれ泊まったらしい。



翌日、食事はレクスの見立て通りあまり皆インベントリに入れようとしたのだが、すぐに容量オーバーになってしまったためカイが全て持っておくことにした。

どうやらインベントリには人によって容量が違う特徴があるようだ。

こうして余り物で朝食を済ませてから皆は帰ることになる。

ただ、レクスはその後、ローゼに朝帰りしたことについて叱られたというのを後々聞いた。

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