閑話 ハロウィン

二学期。とある休みの日。

『ハッピーハロウィン!!』



僕の家に皆で集まり仮装大会を開いていた。

この世界にハロウィンという文化も仮装する文化もなかったがリーセスがどうしてもやりたいと言うので僕とリーセスで説明し開催する運びとなった。

「やっぱ、やらなあかんやろ」

「そうか?」

衣装は自作のため大変だったということはなく魔法でちょちょいと作った。

それが出来ないならこの話は無かったことになっていただろう。

「なんや?楽しくないんか?」

「いや、別に・・・・・・」

楽しくないわけではない。だが、前世では一度も仮装をしたことがなかったため自分の姿がどう見えているのか不安になっているのである。

「それに・・・・・・マイさんの仮装も見れるんやし、良いことしかないやろ」

隣の部屋で着替えているマイに聞こえないように気を遣い小声でそう言ってくる。

今回の仮装は僕とリーセスが前世の記憶をもとに作った。つまり着てもらいたいものを作れるわけだ。

実はそれが今回これをやることにした最大の理由だがそれはリーセスにも同じことが言えた。

大分仲良くなってきているレイに何か着せたいのだろう。

そう思っていたが案の定そうであった。そして、それは僕と被っていた。

まさしくセーラー服である。

学生がセーラー服でコスプレしてどうすると思うかもしれないがこちらの制服は正直微妙なのだ。

その思いが二人の考えを一致させたのだろう。

「こんな感じで良いのか?」

着替え終わったらしいノインがこちらに近寄ってくる。

ノインの衣装はザ・田舎の少年だ。虫取網も持たせているため本当にそれにしか見えない。

ノインの性格もあり、とても似合っていた。

「バッチリやで」


「こちらもこれで良いのか?」

そう言って近寄ってきたレクスの衣装は白馬の王子さま風だ。

少し複雑だったために着るのに手間取っていたが、正に絵本から飛び出てきたかのような仕上がりだった。

真っ白のスーツにしたことで馬がなくても白馬の王子さま風というのがわかった。

「良いんじゃない」

「適当だな!」

そう言うレクスに改めて自分の衣装を見る。

僕のコスプレはエルフ。男がエルフのコスプレをすることに需要はないかもしれないがリーセスが用意したので文句はリーセスに言ってほしい。背中には弓、腰には箙をつけその中にはちゃんと矢が入っている。


逆にリーセスのは僕が作った。黒のタキシードにマントを羽織ったドラキュラだ。

明るい性格とのギャップを狙ったのだが、あまりにも似合っていて・・・・・・まずい、これでは自画自賛になってしまう。


そうして隣の部屋の扉が開き本命が登場した。

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