亜人大陸編
第122話夢の中での会話
パーティーは夜まで続いた。
その間謎の人物が来た時以外貴族の方々からの挨拶が途切れることはなかった。
ようやく家まで帰り一息つく。
マイも一緒にいたため同様に疲れたのだろう。
帰って速攻椅子に座りリラックスしている。
しばらく経って、
「今日はブレスレットをつけて寝る?」
外ではお揃いだからとつけるようにしていたがさすがに寝るときまではつけていなかった。
「あれは何だったのかな?」
マイもあの人物の正体がわからないようだ。
そもそもあの人物が来たときだけ異様に周りに人がいなくなったのも気になる。
もしかしなくてもあの人物の仕業だろう。
幻惑魔法を使うリーセスがいたならなにか分かるかもしれないがその場にもここにもいない。
今から訊きに行くにしても時間が遅いし、何よりレイとの時間を奪うのは申し訳ないという気持ちがある。
リーセスは未だに双子の家に住んでいる。
なんなら一度親に会って住んでいることの挨拶をしたらしい。
レイとの関係は話していないが親には感づかれていたらしい。
これはすべてノイン情報だ。
両親どちらとも反対する気配がなかったとノインが安堵していた。
二人のためにいろいろと手を回していたノインとしては自分の親が壁になってしまうことを恐れていたのだろう。
話を戻すが結局つけて寝ることになった。
あの謎の人物に敵意はなかったように感じたため危険は少ないと判断した。
それに夢で話すというのは経験がある。
またブレスレットをつけずに寝た場合も危険はある。
あの謎の人物の怒りを買うのは危ない気がした。
そうして眠りについた。
◆
「来ていただけて安心しました」
気がつくと後ろから声をかけられた。
そこにはやはり中性的でどちらかわからない人物がいた。
隣にマイがいることに安心しつつ尋ねる。
「用件とはなんですか?」
「そうですね。まずは自己紹介からしておきましょうか。私は二ゼリア、精霊王の執事を務めている者です。あなた達に接触したのは精霊王のご命令があったからでございます」
二ゼリアと名乗る精霊?がここで区切り続きを発する。
「近々あなた達は亜人の住む大陸に行くことになるでしょう。その時に会いたいとのことです」
亜人の住む大陸というと亜人の聖地のことだろうか。
あそこには人は立ち入ることが出来ないと思っていたのだが違ったのだろうか。
「用件は伝えましたのでこれで失礼いたします。強制ではないとのことですので命令ではなくあくまでお願いですから来られなくても構いません」
そう言って結局性別の分からない精霊?が去ると同時に目が覚めた。
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