第120話依頼
今日は久しぶりにギルドの仕事をすることにした。
Sランクだから本当は時々やるだけでも除名とかにはならないけれど少し申し訳ないため出来るときはやるようにしている。
今日の受けた依頼はライウの森に出現した上級の魔獣の討伐。
前にもライウの森に最上級のロウオウが出たがこの森は本来こんなに強い魔獣が出るところではない。
そういえばロウオウことライはスクスクと成長し、そろそろ家の中で住むには狭くなってきている。
そのため今レクスに頼んでライ専用の小屋を作ってもらっている。
ライはそれを期に警備軍に入ろうとしているようだ。
魔獣が入れるのか疑問だが、それは置いといて少し寂しいというのが本音である。
一生会えなくなるというわけではないが、今まで家にいたペットとも呼べる存在が家からいなくなるのだ。
あれ?やっぱりそんなに寂しくないような・・・・・・
あんまりなついている姿は見なかったし、世話も手がかからなかった。
そして、僕とマイが二人でいるときは必ず寄ってこなかった。
それと僕よりもマイになついていた気がする。
・・・・・・考えないようにしよう。寂しいのは寂しいのだ。
無理矢理だがまあ、警備軍ならアゴットさんもいるし安心できる。
そういう点では良かったのかもしれない。
◆
話がそれたが今目の前に依頼の討伐対象がいる。
上級と最上級には大きな差がある。
そう言われているが僕の認識は少し違う。
基本上級も最上級も変わらないが最上級は面倒くさい奴もいるという感じだ。
最上級は異様に魔法耐性があったり、物理耐性があったりする。
そしてそれに重ね素早かったり一撃が強力だったりする。
大体物理耐性がある奴は素早く、魔法耐性がある奴は一撃が強力といった感じだ。
まあ物理を封じれば魔法で攻撃するしかなくなるためそれを避ければ良い。
魔法耐性の奴は近接を強くなれば良い。
つまり戦い方を絞ってそれにあった戦闘方法を確立しているのだ。
上級にはあってせいぜいそのうちの一つ。
二つ以上の戦い方が出来ればどの魔獣も倒せるだろう。
最上級は少なくとも相性がある。
っと、説明している間に目の前の魔獣を倒し依頼の達成の印としてその魔獣の素材を取りギルドへ帰る。
ギルドに入ると周りがざわざわし始めた。
聞こえるのは誰だ?という声やその声の主に僕のことを説明する声が多数。
依頼を受けに来たときもこんな感じだったため気にせずカウンターへ。
依頼達成の報告と手続きを済ませる。
そうしてギルドを出ようとしたところ、
「よう、兄ちゃんSランクなんだって?俺の飛び級試験してくれない?」
面倒くさいのに絡まれました。
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