第112話謎の模擬戦
「始め!」
結局なぜこうなったのか訊くことは出来ず模擬戦が始まってしまった。
模擬戦のため死神の目は使わない。
まだ知らない効果がある可能性があるし、創造神の死神の目だけじゃないという言葉も気がかりだ。
先に動いたのはリーセス。
激しい打ち合いとなるのはそのすぐ後だった。
僕はリーセスの攻撃に対応しながら違和感を覚える。
リーセスの獲物を視界で見るよりも長く認識してしまっているのだ。
そのため回避動作が大きくなりその隙を突かれてそこに攻撃が来ている。
以前戦ったときはこんなことは無かったと思う。
今と違うことは僕が死神の目を発動していないことだ。
確かめてみたい気持ちがあるが緊急性が無いのでやはり辞めておくことにする。
代わりにギリギリ当たると認識しているラインで攻撃を待ってみる。
別にMってわけじゃ無いからね?模擬戦で危険が少ないから試すだけだから。
リーセスの攻撃が近づいてくる。
逃げようとする体を止め、目の前を過ぎるリーセスの攻撃を見る。
その攻撃はやはり僕には当たらず僕の逃げた先を狙った攻撃もずれた。
その時にうまれた隙にたたみかけなんとか勝つことが出来た。
終わった後に気づいたが各教室から僕たちの模擬戦を見ている生徒がいた。
あれ?授業中だよね?
そう思っていると拍手が聞こえてきた後、それぞれ背を向けて離れ始めた。
本当に何事?
「うまくやったな。初め魔法にかかったふりをして最後にそれが魔法であることを証明するとは・・・・・・」
レクスにそう言われた。
・・・・・・どういうこと?
「助かったで。安全に使える魔法が今のくらいしかあらへんのや」
だからどういうこと?
その後もよく分からないことを言われ続けたが訊くことは出来なかった。
放課後、クラブ活動。
そこには当然のごとくリーセスがいた。
まあ、別に良いか。
「そういえばお前、どこに住むの?」
そもそも罪が帳消しになったとはいえ危険な可能性があるため王城には住めないだろう。
そして、僕は嫌な予感がしている。
「それが決まってへんのや。誰か頼むわ」
「遠慮させて頂きます」
こういうのは早く断ることが一番である。
「じゃあ、家に来ます?」
「「「「え?」」」」
レイの唐突なその言葉にリーセス以外の声が揃う。
普段あまり意見しないということもあるけど理由が無いからだ。
ただ、何故かレイの顔は少し赤かった。
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