第46話ペット
ペットにすることが決まり、また名付けをしなければいけないのかと思っているとマイがライと名付けてくれた。
ライウという森の名前からとったようだ。
本人も納得したようなので良かった。
こうして名付け問題はなんとかなったが他にもやらなければならないことがある。
まずはライがロウオウであること、さっきのキングウルフと同一であることの説明だ。
それには皆も驚いてたけど僕も驚くことがあった。
ロウオウはなんと最上級の魔獣らしい。
普通に驚きだ。
というか最上級ってこんなに出現するものなの?
自然災害と考えられてるんだよね?
と思って皆にも聞いてみたがこんなに出現するのは経験したことがないし、聞いたこともないということだった。
ここで考えても分からないものは分からないためもう一つのやるべきことをする。
先生方への報告だ。
幸いライが小さくなったところを見ていなかったらしくちょうど良かったので、キングウルフは逃げ、子供を置いていったのでその子を飼うことにしたことを伝える。
飼うことにしたのを止められるかとも思ったがあっさり認められた。
そして、事後処理は先生方がやってくれるそうだ。
ちなみに今回はベン先生とロヴァイトさんは来ていない。
理由はベン先生は他のクラスの授業があったため、ロヴァイトさんはライウの森位だったら大丈夫だろうと来ていない。
まあ、先生方が後の対処をしてくれるみたいだから皆の元に戻る。
するとマイとレイがライを取り囲んで撫で回している。
それを見てレクス、ノインが引いている。
そんな状態だった。
やっぱり女性は小動物が好きなのだろうか。
僕に気づいたライは一瞬の隙をつきこちらに走ってきた。
この場合は逃げてきたと言った方が正しいかもしれない。
こちらに来たライは明らかに疲れた様子だった。
「二人ともやり過ぎたら嫌われるよ?」
こう言ってライを構うために近づいていた二人を止める。
ライは涙目でこちらを見ていた。
まるで泣きながら感謝してる感じだった。
「ところでライ、何処かよりたいところ無い?」
「う~ん、無いですね。親はどこにいるか分かりませんし、さっきの群れも成り行きでキングウルフになってただけなので」
そうなんだ。
ライはしっかりしてるから親が死んでいたらそれを理解するだろう。
どこにいるか分からないというところを考えると子供を置いて何処かに行っちゃったのかな。
動物園でも親の育児放棄が起きているのをテレビで見たことがある。
そんな感じなのかな?
「おい、カイ!そのライとやらは話せるのか?」
レクスが凄い勢いで問い詰めてくる。
何を今さら……………そうか、そういえばライが皆の前で話したの初めてかも。
ライが話せるようになった経緯を説明する。
皆驚いていたが最後は納得していた。
こうして、最後には騒動もあったが無事に初めての遠足もといサバイバル訓練が終わった。
その頃、リーセスはカイ達と同じくライウの森にいた。
「突然変異をさせることには成功したか。だが、経験を積ませなければ意味をなさないようだ」
そう呟きその場を去った。
それに気づいた者はいなかった。
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