第37話推測
ロヴァイトさんが教師になったことは衝撃的だったため家でもその話になった。
「まさかお父さんが教師になるなんて…………」
「それもそうだけど理由がなぁ」
「お父さんがそこまで気に入るなんてさすがだね、カイ君」
「とは言っても武術では勝てっこないんだけど」
「あそこまでついていけるだけでも凄いんだよ?少なくともギルドにはいないってお父さんも言ってたし」
ロヴァイトさんって本当に何者なんだろう。
そこまでいくと本当に人間なのかと思ってしまう。
それを疑ってしまうほどだ。
ソラなら何か知ってるかもしれないけど今は聞けないしな。
今度聞いてみよう。
「ギルドの人達ってあんまり強くないの?」
「私もあまり詳しくはないけどSランクとAランクの力の差はかけ離れているって聞いたことがあるよ。」
うん、この世界の人達ははっきり言って弱いんだな。
例外を除いて。
最上級が出たら対応出来る可能性があるのが僕の知ってる範囲でロヴァイトさんだけって……………
滅多に出ないらしいけどそれで良いのか?
伝承みたいなのに最上級よりも強い魔獣が出たことがあるというのがある。
そんなのがまた出たらヤバくないか?
まあもしかするとその伝承の魔獣、ここでは伝説級と呼ぼう。
その伝説級が出たときに強い人達がたくさん亡くなってしまったのかも知れない。
まずその伝説級が本当に出たのかという根本的な問題があるが。
しかし、そうだった場合辻褄が合う。
今のこの世界の住人にソラと同等の力を持っている奴を傷つけるなんて夢物語だと思う。
それにそもそもこのレベルだったらソラの実力があれば何とか出来ると思う。
それを思うと戦争が起ころうとしていた頃、そして戦争をしていた頃の人達の力量は今より強かったと考えられる。
そんな人達が伝説級により亡くなりその人達の技術とかが後世に伝わらなかったっていうことは考えられる。
そんなことを考えていると
「何考えてるの?伝承の魔獣とか言ってたけど」
どうやら口に出ていたらしい。
「いや、最上級より強い魔獣なんて本当にいたのかなと思って」
そう、これも疑問なのだ。
最上級ですらほとんど出ないのだ。
先日の最上級の群れは例外として。
それよりも強い魔獣が本当に生まれるのか。
何よりそんな存在をどう倒したのか。
「急にどうしたの?」
「いや、何でもない」
この疑問を思いついた理由を話すにはソラのことを出さないといけない。
そして色々と憶測が入っているから定かではない点がある。
「………何か隠してるでしょ」
「うっ」
何故だろう。
すぐにバレてしまった。
「私には言えないことなの?」
「う~ん。どちらかと言うと誰にも言えない」
マイは少し僕を見た後、
「……………なら聞かない」
「えっ?」
「だって無理やり聞いて嫌われたくないもん」
何それめっちゃ可愛い。
気づくと僕はマイを抱きしめていた。
「そんなことで嫌ったりしないよ。でも、ありがとう」
「うん」
そう言ってマイが目を閉じる。
えっ!?これOKってこと?
前世も含めて経験がない。
おそるおそる顔を近づけていき……………。
翌日朝。
僕は寝不足だった。
別にやましいことはしてないよ?
なんか怪しまれてる感じがするけど本当だからね。
寝不足なのはただたんにキスした後マイを見る旅にドキドキしてて、その日も当然のように添い寝したからだ。
早急になれなければ僕の睡眠時間が無くなってしまう。
出来るだけ普段通りを心がけながら準備をし学校に行く。
途中でレクスを迎えに行ったのだが、何かあったことをすぐに察してニヤニヤしてやがった。
凄く悔しい。
しかし、そんなことはどうでも良くなるほど今日の時間割はヤバい。
2週間に一回、1日魔法実技の授業の日があるとは前も言ったがそれが今日なのだ。
そして僕達は魔法関連の授業は自動的にロヴァイトさんの武術指導になる。
1日はヤバい。
持たないって。
そんなことを思っていても時間は無慈悲に経つものである。
僕は今ロヴァイトさんと模擬戦をしている。
初めにお手本としてといわれたんだけど実力差があり過ぎる。
それに何故か寝不足なのがバレた。
そして孫が出来たら言うんだぞと言われた。
うん、完全に誤解されてる気がする。
律儀に僕にしか聞こえないくらいの声量にしているのが証拠だ。
否定してもせかされる可能性が高いのであやふやにしつつちゃんと言うことを約束する。
その後は1人ずつ模擬戦していった。
双子達は初心者という感じだった。
マイとレクスはしっかり構えが出来ていたのでどこかで習っていた事が分かった。
2人とも魔法を使ってるところしか見たことが無かったので驚いた。
マイは小さい頃ロヴァイトさんに少し教えて貰ったらしい。
レクスはアゴットさんに教えて貰ったようだ。
5人でまわしたので思っていたほどきつくは無かった。
ロヴァイトさんはずっと1人で相手していたのに疲れた様子は少しも無かった。
本当に凄いな。
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