第25話魔法の練習

魔法の練習をすることになった僕達だったがまずはスタール亭に行き挨拶をした。

今日はマイの父親もといギルドのSランクでロヴァイト=スタールさんも店にいた。

ちなみに母親の方はミサリー=スタールさんというらしい。

恥ずかしながら昨日初めて知った。

結構前に知り合っていたのに。

それはともかくとしてロヴァイトさんが店にいるのは珍しいらしい。

挨拶の後この後何をするのか問われ魔法の練習をするという予定を話した。

「君はもう魔法を鍛える必要はない気がするのだが。………そうだ!娘に魔法を教えて貰うかわりに俺が君の武術方面を鍛え直すのはどうだ?」

何だろうすごく嫌な予感がする。

ソラと同じにおいがする。

だけどこれは断りづらいな。

「Sランクの方に教えて頂けるなんて嬉しいです」

表面は嬉しそうに対応できたと思う。

「と言っても君とそう実力は変わらないと思うが……まずはマイの魔法の方だ。俺も暇だから見に行こう」

「はい、わかりました」

やりにくいよ!親の前でなんて……

そしてこっち側が断りづらいことを理解して欲しい。

こうして魔法の練習のために来た場所は僕の家です。

理由はいつでも自由に使えて防御の魔法陣さえ使えば問題ないから。

初めに今の実力をみるために魔法を撃ってもらうことにした。

マイも初めは戸惑っていたが僕が防御の魔法陣に何発か魔法を撃ったら大丈夫だと思ったらしく魔法を撃った。

レクスとまではいかないがこの世界では相当腕が良い方だろう。

「魔法の練習する必要ある?まあすれば強くなるだろうけど」

「私の身で国や世界が滅びるなんて言われたら強くならないといけないって思うでしょ!!」

あ、これ僕のせい?

「ごめん、それは否定出来ない」

「もう!」

なんか怒ってる顔も可愛く思えてきた。

僕としてもマイがある程度力を持っていた方が安心出来る。

「なんかすまないな。気が利かず2人の時間を奪ってしまって」

「いえいえ、謝らないでください」

「そうよ。お父さん」

「しかし」

「ロヴァイトさんが提案したから2人の時間が増えたんですから気にしないでください」

「そ、そうか」

この後マイには魔方陣の作り方とインベントリを教えることにした。

威力を上げるよりも早く撃って数で威力を出せるようにしようと考えたからだ。

魔方陣を教えるのは簡単だった。

魔方陣は何度か見せたことがあったのが大きかった。

問題はインベントリの方だった。

地球のゲームの知識もなければ僕のを見せることも出来ない。

色々試行錯誤しながら時間は過ぎていった。

昼食の時間になり食べるためにリビングに来た。

「………これだ!!」

「っ!?びっくりした。どうしたの?急に」

「あ、ごめん。これだと思って」

僕が見つけたのはタンス。インベントリのイメージに少し近いと思い声を出してしまったのだ。

「これ?タンスがどうしたの?」

「インベントリのイメージだよ。タンスとかロッカーみたいに1つの場所に1つ入れることが出来るイメージ」

「分かった。やってみる」

「じゃあ僕は昼ご飯を作ってくるよ」

「俺も手伝おう」

「良いんですか?」

「ああ、腕をおとさない為にもなるしな」

「ではお願いします」

台所に行くとロヴァイトさんに話しかけられた。

「本当にありがとな」

「急にどうしたんですか?」

「マイは小さい頃から人見知りだった。それに加えて俺の娘ということである程度有名で近づこうとする者も多くてな。それで余計に人見知りになって特に男は苦手でな」

「そうなんですか?今はそこまで感じないですが」

「君と話しているマイを見て驚いたものだ。だからありがとな。」

「僕も王都に来る前は人と関わらない日々を過ごしていたのでお互い様ですよ」

「そうか、君にも事情があるのだな」

「聞かないんですか?」

「ギルドにいるとそういう者も多いからな」

「そうでしたか。っと昼食を作らないと」

「そうだったな」

この後急いで作ってリビングに行くと

「出来たよ!」

いつになく興奮したマイが言ってきた。

可愛い。

「おめでとう」

「うん」

こうして昼食を取り、その後は嫌な予感がすごくするロヴァイトさんによる武術の訓練。

ソラが僕の中に入ってからやってないので緊張もしている。

こうして武術の訓練が始まろうとしていた。

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