落ち続ける夢を見た。
牧瀬実那
こんな夢を見た。
終末へ至る事件が起きた。
犯人はある一点で止まった時間の中で繰り返しを求めていただけであったが、その重なりは膨大なエネルギーを生み、総ての時間の停止を引き起こそうとしていた。
解法を求め、下へと落ちるエネルギーで相殺する案が実行される。
しかし止まった時間の中で繰り返しを選んだ者は犯人のみではなく、裏切り、混乱の末、落下し続けた果てに生まれるエネルギーは全てを滅ぼすことを知る。
滅亡と終末を避ける為にあらゆる手段を講じたものの落下は止まらない。
やがて何十年、何百年、何千年、数えきれないほどとても長い時間を落ち続け、別れ、告解、終末を止めようとした仲間が残した記録、他総てを知り、体感時間の間延びは終末の訪れが無いもの同然になった。
仲間は終末の訪れまでの残りの時間を楽しむ為にそれぞれが横への脱出をし、私もいよいよ提示された道へ続いた。
横への脱出は新たな穴へと続き、異なる無限への移行を意味したが、目覚まし時計の音と共に新たな無限で生きることを選択する。
過去の全ては遠く、昨日の些細な悩みですら遠い過去となった。
目覚めた今も落ち続ける感覚は続いており、現実感は遠くただただ体と心がふわふわと軽い。
おはよう、新しい私。
落ち続ける夢を見た。 牧瀬実那 @sorazono
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