第46話 『波乱の休日っ!!』

異性として好きよ…初めて好きって言われたな。しかも、こう言われると友達として好きって言ったんだな!と能天気解釈できないわけで…

幸い、今日は休みだからよかった。今日は別に平日だが林間学校の次の日なので休日なのだ。丁度いい…考える時間だ。俺はとりあえず昼まで寝た。


ピコンッ


「っ!!…や、山田花子っ…」


どうして急に…まさか会えるのか?!俺はスマホを覗き込む。

だが、送られてきたのは、1枚の写真だった。


「これはっ!…俺のハンカチ?…」


しかも、このハンカチは林間学校に持って行ってたものだ。どこかで落としてたのか…気づかなかった。


「この場所って…俺たちがよく遊んでた公園かっ!…」


つまり山田花子は今、この公園に…俺は昼食を食べずに家を飛び出した。母さんが何か言っているが、それを無視して走る。…後で怒られよう。

公園に着いたが、そこには誰もいなかった。

だが公園のベンチにハンカチが…


「ハンカチだけ…」


届けにきてくれただけか。俺はしばらく公園に立ち尽くしていた。すると1人の女子生徒がこちらに向かってきた。


「…青森…」


バッ!


俺は勢いよく振り向いた。するとその女子生徒はビクッと驚いた。


「な、なんだ霧島か…」


「…悪い?…」


霧島はムッと頬を膨らます。霧島は買い物のエコバッグを持っている。今から買い物か?…


「…何してるの…」


「えっ…さ、散歩かな?」


これはある意味、散歩と言えなくもない…

だが霧島は心配そうに、こちらを見てくる。


「どうしたんだ…?」


「…どうしたって…青森…泣いてる…」


「えっ…」


俺はいつのまにか涙を流していた。なんだ、どういう事だ…なんの…なんの涙だ?…自分でもよくな分からない涙が溢れていた。


「なんでも…なんでもないんだ…本当に、なんでも…」


少し沈黙が続いた。すると霧島が


「じゃ…じゃあさ…買い物っ!…付き合ってくれない?…」


「え…まあ、いいぞ」


どうせ帰ったって母さんに怒られるだけだしな…元気づけようとしてくれてるのかな?。

だせーな俺…霧島の顔が見れなかった…俺はこのハンカチで涙をふいた。


〜スーパー〜


「青森って…何が好きなの…」


「えっ…好き?…」 


「ち、違うっ!!…料理…何が好きなの?…今、食べたいものっ!…」


霧島は顔を赤くして手をバタバタさせる。今、食べたいものね…あっ、そういえばあの時…


「じゃあ、肉じゃが!この前、食べれなかったからな…」


…って待てよ、そしたら俺がまた霧島の家にっ!…今は霧島のお姉さんは学校だろうけど、流石にまずいな、今回は断らないとっ!!


「青森…今日、家は…?」  


「えっ?母さんがいるが…」


「じゃあ…青森の家に行ってもいい…?」


「えっ、まあいいけど」 


なんだ…俺の家か、ならいいだろ、母さんもいるし。…って気を使わせてるのかな、霧島に…


ガチャ


「ただいまー!!」


「ただいまじゃねえぞー!!」


母さんが怒って玄関にやったきたが霧島の顔を見ると、みるみる笑顔になり


「あら〜どうしたの?ヒカリちゃん??」


「突然、すいません…私に料理を教えてくれませんか?…」


「いいわよ〜!…和也、アンタは母さんのいうものを買ってきなさいっ!!」


「え…今、行ってきたんだけど…」


「アンタが人の話、聞かないからでしょ!」


こうして俺は家から追い出された。せっかく休みなのに…まあ、元はと言えば俺がハンカチを忘れなければ、よかった…よかったのか?


〜スーパーはさっき行ったのでショッピングモールにした〜


えっと、味噌だっけ…あとは卵…パッパッと手際よく買い物が出来てるぞ俺っ!!将来は専業主婦かな…


「お姉ちゃ〜ん〜!!」


「うおっ!!…」


俺の隣でいきなり男の子が泣き叫んだ。隣に誰かいるなんて気づかなかった。


「お姉ちゃんと逸れちゃったのか…?」


「…う、うん」


その男の涙を見て俺は、自分が泣いた理由が分かったような気がした…会いたかったんだ。俺は…あの子に…って、それどころじゃないな。


「僕、お名前は?…」


「あ、綾瀬晴人…」


まあ、偶然だよな。綾瀬って苗字の人は多いよな…多分…すると叫んだおかげか、お姉さんはすぐ来てくれた。


「晴人っ!」


「お姉ちゃんっ!」


「あれ?…青森くんっ!!…ありがとね〜」


やっぱりか…姉は綾瀬美波…俺の同級生であった。ってか、お嬢様なのに、こんな所に来るのか?


「綾瀬って…自分で買い物するんだな。」


「失礼ね〜私は世間知らずのお嬢様じゃないのよ〜!」


林間学校に花火を持ってきた人が言うんじゃないっ!…とは言わないでおこう。弟さんもいるからな。 


「ねえ、僕も綾瀬なんだけど…」


「えっ…」  


突然、弟さんが俺に牙をむいてきた。いや、俺に名前で呼べと?…


「そうだよね〜下の名前で読んでよ〜」


「はっ?…」


俺を舐めるなよっ!霧島に下の名前で呼んだことあるからなっ!!


「み、美波っ…」


「なあ〜に〜?〜」


「お姉ちゃん…嬉しそう…」


「楽しそうですね…センパイ…」


「ギャ!…み、三原…どうしてこんな所に…」


「どうしてって、遊んでるんですよ。そしたらセンパイたちの姿が見えたので…」


それで追いかけてきたと…って、三原が遊んでた友達って…


「あらっ!和也じゃないっ!」


三原の友達が俺を呼びながら向かってくる。


「「えっ…和也!?…」」


綾瀬と三原がシンクロする…今、1番会いたくない相手…桐崎あいかがやって来たのだ。







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